匠の技と伝統に感謝…岐阜の逸品を買う

匠の技と伝統に感謝…岐阜の逸品を買う

1.美濃焼を知る

  • 美濃焼の作家ものの器が並ぶギャラリーショップ。どれにしようか目移りしそう

美濃焼とは、岐阜県の多治見、土岐、瑞浪などで焼かれた陶磁器の総称です。古墳時代の土器も発掘されるというこの地域では、昔から良質の粘土に恵まれ、またやきものを焼くために焚く薪も豊富だったことから、陶磁器の生産が盛んに行われてきました。美濃焼の名を全国に広く知らしめることになったのは、桃山時代に織田信長と豊臣秀吉が茶人・千利休を重用して、茶道を政治の世界に取り入れたのがきっかけです。志野・織部・黄瀬戸・瀬戸黒といった美濃のやきものに象徴される美しくも斬新な美濃焼のデザインは、当時の茶人たちの美意識と、名もなき陶工たちの優れた技術によって生み出された結晶なんですね。

2.匠の技が光る家具、和紙、ロウソク

  • お土産にぴったりな和紙を使ったアイディア小物。和の気分が盛り上がります

古くから優れた木材の産地として知られた飛騨地方は、飛騨の匠と呼ばれる優秀な木工職人を育んできました。飛騨の匠は、神社仏閣などの木造建築物の建設には欠かせない職人集団として活躍していましたが、その技術は今、木目が美しいと評判の飛騨の家具に活かされ、インテリアファンの注目を集めています。また、平安時代に官営の製紙所が置かれていたという美濃市は、1300年もの歴史を誇る美濃和紙のふるさと。原料にこうぞを用いて、手漉きで天日干しにした本美濃紙は、全国でも引く手あまたの最高級和紙として知られています。一方、江戸時代には商人の町として栄えた飛騨古川には、240年以上も和ロウソクを作り続ける老舗があります。煤が出にくく、長持ちすると評判の和ロウソク。お土産物にいかがでしょうか。

3.食品サンプルも木升も刃物もNo.1

  • 木のぬくもりと檜の香りで、癒し効果も期待できる手作り木升

昔から交通の要所として、人や物の集積地として栄えていた岐阜県は、集まった物を加工する技術においてもNo.1です。郡上市は、飲食店のショーケースに飾られている食品サンプルの一大生産地。食品サンプル作りの体験工房もあるので、お土産に一つ作ってみるのも楽しいですよ。また、日本有数の檜の産地でもあった岐阜県では、檜を使った木升づくりが盛んに行われてきました。現在でも、おめでたい席の酒宴には欠かせない木升。大垣市にある工房では、木升作りの体験ができます。そして、鎌倉時代から続く刀匠の技術を伝承している関市の刃物は、ドイツのゾーリンゲン、イギリスのシェフィールドと並び“刃物の3S”と呼ばれる世界のトップブランド。台所の必需品である包丁から、ヒゲ剃りやメイク用のハサミ、爪切りまで、高品質で実用的なお土産物としても喜ばれますよ。