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地元で愛される伝統芸能「地歌舞伎」の魅力を紹介!

地歌舞伎が盛んな岐阜県で、庶民が伝承してきた心と技に触れる旅を。
岐阜県内で「地歌舞伎」を見ることができる芝居小屋や観劇中の楽しみ方を紹介。地元の保存団体が開催している定期公演やオリジナルお土産などの情報も注目です!
地元で愛される伝統芸能「地歌舞伎」の魅力を紹介!

岐阜県民に愛される「地歌舞伎」とは?

観るだけではなく、自ら演じるようになった伝統芸能。

江戸や上方で上演されていた歌舞伎が全国各地に広がり、プロの役者に憧れて地元の一般庶民が芝居小屋や神社の祭礼で演じて楽しむようになったのが「地歌舞伎」。

今も江戸時代から伝わる演目や振付などが受け継がれて多くの人々を楽しませています。

県内には歴史ある芝居小屋が9軒残っており、数多くの演目を観賞することができます。また、30を超える地歌舞伎保存団体が活動し、岐阜県は全国でも地歌舞伎が盛んな地域として有名です。

観る前に知っておきたい、地歌舞伎の楽しみ方・盛り上げ方

「日本一」という声援や、華やかな「おひねり」で大盛り上がり!

役者と観客が一体となって舞台を盛り上げるのが地歌舞伎の醍醐味。演目中に役者が見栄を切った瞬間に、客席から「日本一」と声が上がると大いに盛り上がります。『大向う』と呼ばれる地歌舞伎ならではの演出です。

小銭を包んだ『おひねり』を役者の足元に投げ入れると、役者の演技に迫力が増し見応えがあります。演目終了後には役者たちによる『投げ餅』が披露されると観客は大喜びです。

芝居小屋 【かしも明治座】(中津川市)

地歌舞伎が全盛期の時代に建てられた芝居小屋

120年以上前に建てられた「かしも明治座」。当時のままの姿を今に伝える貴重な建物です。

舞台裏を案内するガイドツアーが人気で、普段見ることができない廻り舞台や奈落、楽屋などを見学できます。

楽屋の壁にはここで公演をした役者の『落し書き』があり、十八代目・中村勘三郎さん筆も残っています。現在は地元保存会の定期公演の他に、クラシックコンサートや落語会などが催されていて多くの人たちの憩いの場となっています。

芝居小屋 【相生座】(瑞浪市)

江戸時代から伝わる衣裳、かつら、小道具を約4000点を収蔵

明治時代に建てられた建物を移築して生まれ変わった「相生座」。花道や廻り舞台などを備えた本格的な芝居小屋として訪れる人を魅了しています。

また数多くの衣装やかつら、小道具等を展示した「美濃歌舞伎博物館」となり、地歌舞伎の魅力を伝えています。歌舞伎役者に変身できる化粧・着付け体験も好評(有料・要予約)。毎年9月末には長月(納涼)公演、敬老公演が開催されて地元の人たちの楽しみのひとつとなっています。

地域の伝統芸能を継承する芝居小屋を紹介

地歌舞伎の魅力や雰囲気がたっぷりと味わえる芝居小屋を紹介します。

【常盤座】
【常盤座】
◆中津川市
◆1891年(明治24年)創建
◆3月最終日曜日 定期公演開催
◆ガイド付見学ツアーあり(要予約)
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【蛭子座(えびすざ)】
【蛭子座(えびすざ)】
◆中津川市 蛭川(ひるかわ)地区
◆1901年(明治34年)創建
◆10月第3日曜日 定期公演開催
◆平成の大改修後、蛭川公民館を兼ねる
地芝居大国ぎふWEBミュージアム
【鳳凰座】
【鳳凰座】
◆下呂市 御厩野(みまやの)地区
◆1827年(文政10年)移築
◆5月3日・4日 定期公演開催
◆約600人収容の劇場型舞台
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【白雲座】
【白雲座】
◆下呂市
◆1890年(明治23年)創建
◆11月2日・3日 定期公演開催
◆全国的に珍しいこま回し式舞台
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【五毛座】
【五毛座】
◆恵那市
◆1951年(昭和26年)創建
◆隔年(偶数年)4月第2日曜日 定期公演開催
◆国の登録有形文化財に登録
地芝居大国岐阜webミュージアム
【東座】
【東座】
◆加茂郡白川町
◆1889年(明治22年)創建
◆5月第3日曜日 定期公演開催
◆太鼓橋とのコントラストが美しい芝居小屋
地芝居大国ぎふWEBミュージアム
【村国座】
【村国座】
◆各務原市
◆1877年(明治10年)創建
◆10月第2土・日曜日 定期公演開催
◆『各務の舞台(かがみのぶたい)』として重要有形民俗文化財に指定
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各地保存会による定期公演を観に行こう!

主に神社の祭礼に合わせて定期公演を開催

初めて地歌舞伎を観賞する方には保存会が開催している定期公演がおすすめ。江戸時代から伝わる人気の演目から、地域の小学生が演じる子供歌舞伎などさまざまな地歌舞伎が楽しめます。

例えば「鳳凰座」では毎年5月3・4日、「白雲座」では毎年11月2日・3日など、地元神社の祭礼に合わせて開催していることが多いので、事前に日程をチェックしてみてください。

地歌舞伎の楽しみのひとつ「かべす」ってナニ?

お弁当や菓子を食べながらの芝居観賞は一興!

「菓子」「弁当」「鮨(すし)」の頭文字をとって呼ばれているのが「かべす」。芝居小屋では食事をしながら芝居を観ることができ、観客もそれをとても楽しみにしています。

「朴葉寿司」や「五平餅」など、ご当地グルメは大人気です。また、おひねりをイメージした「おひねり栗きんとん」、“白波五人男“の役者をデザインした包装紙に包まれた栗羊羹「恵奈くり五人男」など、地歌舞伎をテーマにしたお土産もあるので購入してみては。

旅のメモ

地歌舞伎を伝承する達人のインタビュー記事も必見!

戦後最初に地歌舞伎を復興した小栗克介さんを父にもつ、美濃歌舞伎博物館相生座館長の小栗幸江さん。父の想いを継ぎ、庶民の娯楽であった岐阜の地歌舞伎を絶やさぬように、県内各地で復興と伝承に尽力しています。

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