地元レポーター発!旅のコラム

一度は挑戦したい「各務原アルプス」大縦走|東海屈指の低山ロングトレイルを歩く

土庄雄平
土庄雄平
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東海エリアを代表する低山のロング縦走コースが「各務原アルプス」です。これは単独の山ではなく、各務原権現山(かかみがはらごんげんやま、標高317m)や明王山(標高380m)、金山(標高340m)などの山々が連なる山域の総称。縦走コースは距離約15km、累積標高差は約1,500m、歩行時間はおよそ8時間半と、低山ながら歩きごたえのある内容です。

標高300m前後の山を次々と越えていくアップダウンの連続で、後半は体力と気力の勝負。それでも、広がるパノラマとゴール時の達成感は格別で、「低山でもここまでスケールのある山歩きができるのか」と感じさせてくれる人気コースです。

猿啄城展望台から縦走路へ。明王山の大展望

  • 猿啄城登山口から長い縦走がスタート
  • 木漏れ日が気持ち良い樹林帯の登り

縦走のスタートは、猿啄城(さるばみじょう)展望台 駐車場から、木曽川沿いの低山に建つ猿啄城展望台(城山)を目指すところから始まります。最初から急な登りが続きますが、登山道はよく整備されており、歩きやすい道です。樹林帯を抜けると視界が開け、やがて展望台へ到着。

  • 木曽川までダイナミックな地形美が広がる
  • ここから続く縦走路への期待が高まる
  • 小刻みにアップダウンのある尾根道を進む

ここからは雄大な木曽川の流れと、その向こうに広がる濃尾平野の景色が一望できます。これから始まる長い縦走に向けて、気持ちが高まるポイントです。展望を楽しんだあとは再び尾根道へ。ここから先は小さなピークをいくつも越えながら、各務原アルプスの核心部へ進んでいきます。

  • 休憩用のベンチも設けられた明王山山頂
  • 途中、木曽川の流れを垣間見る
  • 低山なのに圧倒的スケールの景色が広がる

緩やかな尾根道を歩いていくと、縦走路の中でも人気の高い展望地である明王山へ。山頂には開放的な展望台があり、視界が大きく広がります。天気が良ければ御嶽山や恵那山などの高山を一望できます。低山とは思えないほどダイナミックな景色で、各務原アルプス縦走のハイライトのひとつともいえる場所です。


【標準コースタイム】

猿啄城展望台駐車場〜(約40分)〜城山〜(約45分)〜明王山

各務原アルプス縦走。いくつものピークをつなぎ向山へ

  • 清々しい風を感じ、美しい山肌に魅了される
  • 緑とミツバツツジの共演を楽しめる初夏
  • 季節の花を愛でながらスケールの大きい尾根道を進む
  • 山頂には展望台が設けられている山も多い
  • マリオの石が気になる金山

明王山を越えると、尾根道はいよいよアップダウンの連続へ。迫間不動の周辺で一度舗装路に入ると、小さなピークを越えては下り、また登り返すというリズムが続き、じわじわと脚にこたえてきます。多賀坂峠を通過し、大岩山(標高336m)、小太山(標高345m)、金山、太平山(標高347m)へと縦走路は続いていきます。

  • ようやく中間地点に当たる岩坂山へ
  • 向山山頂からは360度の大パノラマが広がる
  • 道中で見つけたイワカガミの群落

岩坂峠まで一度下り、そこから登り返すと、ルートのちょうど中間点にあたる岩坂山(標高243m)に到着。途中には眺望の開けた場所や、季節の花を楽しめる区間もあり、歩くたびに表情を変える景色が魅力です。その後も緩やかなアップダウンを繰り返しながら尾根を進み、須衛山(すえいやま、標高321m)を通過。さらに歩みを進めると、向山へと到着します。

  • 街と自然が近い、低山ならではの迫力ある展望
  • 展望台からは清々しいパノラマが広がる
  • 天気が良ければ、名古屋中心の高層ビル群まで一望

ここは尾根上に設けられた展望スポットで、開けた景色が広がる気持ちのよい場所。歩いてきた稜線や周囲の山並みを振り返ることができ、縦走のスケールを実感できます。標高はそれほど高くないものの、次々と山を越えてきた達成感があり、思わずほっと一息つきたくなるポイントです。ここから先は縦走もいよいよ後半戦へ。気持ちを切り替えて歩みを進めます。


【標準コースタイム】

明王山〜(約10分)〜金毘羅山登山口〜(約20分)〜迫間不動〜(約20分)〜多賀坂山〜(約10分)〜多賀坂峠〜(約40分)〜大岩山〜(約10分)〜小太山〜(約10分)〜金山〜(約15分)〜太平山〜(約20分)〜岩坂峠〜(約10分)〜岩坂山〜(約55分)〜須衛山〜(約30分)〜向山

桐谷坂峠からラスト登り。芥見権現山を目指す

  • 峠に着いたら、もうひと踏ん張りの登り返し
  • 桐谷坂峠の近くで通った緑のトンネル
  • 露で濡れた植物も美しい

縦走路を進むにつれ、アップダウンはなおも続きます。疲れが出始める頃ですが、尾根道は比較的歩きやすく、静かな森の中を淡々と歩みを進めていきます。やがて桐谷坂峠に到着。県道17号線と交差する峠で、ここまで来ると縦走も後半に入ったことを実感します。

  • 野趣に富んだ静かな登山道を進む
  • ここまで長かったが、ようやく芥見権現山へ
  • 街にアクセントを加えてくれる山の風景

ここまで来れば、ゴールももう間近。疲れが出ているようであれば、しっかり休憩をとり、水分や行動食を補給してから次の登りに備えます。木々が覆う美しい緑のトンネルをくぐりながら、静かな尾根歩きを楽しみつつ進みましょう。やがて芥見権現山(あくたみごんげんやま、標高317m)に到着すると、視界が開けて見事なパノラマが広がります。


  • これぞ各務原アルプスと言える稜線美
  • 木々のすき間に広がる街の景色
  • 山肌を覆い尽くす緑が美しい

振り返れば、これまで縦走してきた各務原アルプスの山並みが大きく広がります。標高こそ高くありませんが、連なる稜線の広がりは想像以上に雄大で、思わず足を止めて見入ってしまうほど。続いて老洞峠(おいぼらとうげ)へと向かう区間では、緑に染まった山肌がひときわ鮮やかに映え、思わず目を奪われるような景色が広がります。


【標準コースタイム】

向山〜(約30分)〜桐谷坂峠〜(約40分)〜願成寺山〜(約35分)〜芥見権現山

アルプスの稜線を思わせる。各務原権現山までの縦走

  • 標高200mクラスの山々でこのスケール
  • 立枯の木が、どこかミステリアスな雰囲気を醸し出す
  • 山上から見渡す各務原アルプスの稜線美

老洞峠から最後の登りを越えると、視界の開けた稜線へ。そこには、各務原アルプスの縦走路を象徴するような山並みを見渡すパノラマが広がります。このまま北山(標高289m)を経て歩みを進めると、やがて各務原権現山の山頂に到着。山頂からの展望は開放感にあふれ、濃尾平野を一望することができます。

  • ダイナミックに景色が開ける各務原権現山の山頂
  • ここでおおよそ縦走は完了
  • あとは鳥居をくぐって下山へ

権現山多度神社の鳥居がひときわ印象的で、その先には名古屋の中心部まで見渡せる眺望が広がります。ここまで歩いてきた尾根を思い返すと、長い道のりだったことを実感するはずです。標高はそれほど高くない山ですが、10以上のピークを越えてきた縦走の達成感は格別。

  • 街が近づくと達成感に包まれる
  • 最後の区間に現れるつづら折り
  • 静かに流れる伊吹の滝でクールダウン

各務原権現山を越えると、あとはゴールへ向けて下りが続きます。途中の小さな展望台を過ぎると、九十九折りの登山道を下っていきます。やがて登山口近くに現れるのが、伊吹の滝と呼ばれる人工滝。水音を聞きながら一息つけば、街の風景もすぐそこ。長い縦走を歩ききった達成感に包まれます。


【標準コースタイム】

芥見権現山〜(約15分)〜老洞峠〜(約25分)〜北山〜(約10分)〜各務原権現山〜(約1時間)〜伊吹の滝

下山後も一仕事。徒歩と電車で登山口へ

  • あとは徒歩で蘇原駅を目指す
  • 徒歩と電車を使って登山口へ戻る

下山後は舗装路を歩き、最寄りのJR蘇原駅へ向かいます。駅までは1時間弱。各務原アルプスの縦走はスタート地点とゴール地点が離れているため、下山後は公共交通機関を利用してスタート地点へ戻る形になります。

  • 坂祝駅から猿啄城登山口までは徒歩約15分
  • 車が見えてきた!これで完全制覇

最後に待ち受けるこの移動も、縦走の締めくくりです。JR蘇原駅から電車でJR坂祝駅へ移動し、そこから登山口に近い猿啄城展望台 駐車場へ戻ります。


長い縦走を歩ききったあとに続く舗装路は、正直なかなかこたえます。それでも歩き終えたときの達成感は格別。健脚者向けルートですが、ぜひトレーニングをして各務原アルプス縦走に挑戦してみてください。


【備考】

伊吹の滝〜(徒歩約1時間弱)〜蘇原駅〜(電車約15分)〜坂祝駅〜(徒歩約15分)〜猿啄城登山口

この記事のレポーター

土庄雄平
土庄雄平
1993年生まれ、愛知県豊田市出身。会社員のかたわら、山岳自転車旅ライターとして活動する。飛騨地方の雪山が大好物。春は北アルプス麓の桜に見惚れ、夏は清流と瀑布に涼み、秋は霊峰白山の紅葉に抱かれる。

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