地元レポーター発!旅のコラム

地元ライターおすすめ!岐阜の紅葉登山スポット5選。絵画のような絶景に出会う山旅

土庄雄平
土庄雄平
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夏の猛暑が終わる9月下旬、北アルプスをはじめとする日本屈指の高峰で、山が色づき始めます。そこから約2ヶ月にわたり、町に秋が降りてくるまで、岐阜の山々には絵画の如き山岳紅葉の絶景が広がるのです。

これまで岐阜のマニアックな山に登るたびに、「こんなに美しい景色があったのか...!」と感動してきた筆者。今回は、そんな岐阜の秘められた自然が見せる紅葉の名山をご紹介します。

【北アルプス】硫黄岳/平湯尾根(紅葉:9月下旬〜10月上旬)

北アルプスの紅葉が始まる9月下旬。一足早く紅葉を鑑賞できる名所として「乗鞍岳(のりくらだけ、標高3,026m)が有名ですが、実はその近くに見事な紅葉を鑑賞できる隠れた名山が存在します。


その名は「硫黄岳(いおうだけ、標高2,554m)」。それほどメジャーではないですが、平湯温泉から乗鞍岳へアプローチする際に使う登山道(平湯尾根)の途中に位置しています。

ハイマツ帯を歩き、天気が良ければパノラマ稜線から穂高連峰を一望。周囲の峰々を覆い尽くすように、圧倒的な山岳紅葉が展開します。さながら”紅葉彩る天空の稜線”という趣を味わえますよ。


平湯温泉から平湯尾根を登る以外に、乗鞍岳  畳平バスターミナルまでバスで向かい、そこから乗鞍スカイラインを歩いてアプローチすることも可能です。自身の体力に合わせて訪れてみてください。

【両白山地】白山/平瀬道(紅葉:10月中旬〜下旬)

岐阜・石川・福井の3県にまたがる霊峰「白山(はくさん、標高2,702m)」。福井側の別当出合(べっとうであい)からアプローチするのが一般的ですが、紅葉のシーズンにオススメしたいのが岐阜側の平瀬道。


その理由は、深い樹林帯を通り過ぎて、途中の大倉山(標高2,038m)周辺まで至ると分かるはず。何とそこには、山肌を覆い尽くす紅葉の絶景が待っています。

まるで別世界に足を踏み入れたような、筆舌に尽くし難い美しい大紅葉。辺り一面、オレンジと赤色で満たされる景色は圧巻です。また雲の具合で表情を刻々と変え、どこかメルヘンチックな雰囲気も醸し出しています。


山頂直下の白山室堂へ至る直前には、別山(べっさん、標高2,399m)とナナカマドのコントラストに心奪われます。平瀬道は中級者向けの内容ですが、ぜひ体力をつけて歩きたい、岐阜を代表する紅葉登山の名ルートです。

【中央アルプス】恵那山/神坂峠ルート(紅葉:10月中旬〜下旬)

中央アルプスの最南部に位置している「恵那山(えなさん、標高2,191m)」。恵那・中津川のトレードマークとなっている山です。日本百名山にも選出されており、多くの登山愛好家が足を運びます。


例年紅葉が見られるのは10月上旬から。10月下旬へ移行するにつれて、山頂から山腹にかけて紅葉が降りてきます。山全体がパッチワークの装いで、まるで風景画のような凛とした美しさを放ちます。

そんな秋の恵那山でおすすめしたいのは、神坂峠(みさかとうげ、標高1,569m)からの縦走尾根ルート(往復6〜7時間)。中央アルプス最南端を形成するこの区間は、ダイナミックな展望と野趣に富んでいるのが魅力です。


道中、陽光に照らされて、紅葉が宝石のように輝く稜線を進む道のりは、秋らしい趣が抜群!山頂には中央アルプスと紅葉の共演が待ち、運が良ければ雄大な雲海が広がります。遠く御嶽山(おんたけさん、標高3,067m)や富士山(3,776m)の山容が眺められることも。

【両白山地】銚子ヶ峰(紅葉:10月中旬〜11月上旬)

岐阜と福井の県境に位置している両白山地。霊峰白山へと続く美濃禅定道(みのぜんじょうどう)の途中に位置している「銚子ヶ峰(ちょうしがみね、標高1,810m)も、知る人ぞ知る紅葉の名山です。


10月中旬には山頂周辺、11月になると前半の登山道まで紅葉が降りてきて、格別に美しい登山を楽しめます。ブナの回廊と呼びたくなるほど、広葉樹林が密集しており、色鮮やかな奥美濃の別天地です。

5〜6合目の”おたけり坂”を越えると、紅葉の稜線歩きが始まります。ここからがフォトジェニックです。ダケカンバを中心として、山全体がオレンジ色に染まっていきます。山頂手前の母御石(ははごいし)が撮影ポイントです。


霧が出ても趣があり、雲の流れにより山肌に陰影が生まれます。白山の伝説が残る山ならではの臨場感を味わえること間違いなし。日帰りでも往復5〜6時間と比較的手軽な内容なので、初心者の方にもオススメです。

【高賀三山】高賀山(紅葉:10月下旬〜11月上旬)

美濃のトレードマークになっている高賀三山(こうがさんざん)。その最高峰が「高賀山(こうがさん、標高1,224m)」です。古来から山岳信仰の山として知られ、高賀神社から御坂峠を経て山頂に至る登山道は、多くの修験者に利用されました。


山全体がブナをはじめとして、広葉樹林で覆われていることが特徴。そのため10月下旬〜11月上旬には、登山道を包み込むように紅葉のトンネルが形成されます。

太陽の光に照らし出され、キラキラと輝く様は、まるで宝石のような美しさ。一瞬一瞬で濃淡を生みながら、赤・黄色・オレンジと溢れる色彩が、進むたびにシャワーのように降り注ぎます。


山頂は360度の大展望。御嶽山(おんたけさん、標高3,067m)や白山(はくさん、標高2,702m)といった、日本屈指の高峰を望むことができます。手頃な里山でありながら、しっかりと紅葉や山岳絶景を味わえる名山と言えるでしょう。

登山には入念な準備や計画を!

最後に登山を楽しむための準備や計画のポイントを4点お伝えしましょう。せっかく素晴らしい自然を味わう登山。リスクなく安全に楽しみたいですね。


・都道府県のHPなどから取得した登山届をあらかじめ記載して、登山口にあるポストへ投函しましょう。YAMAPの登山計画書も登山届代わりに使用できます。


・いずれの山も本格的な登山装備が必要です。トレッキングシューズや歩きやすい服装、天候変化に備えてレインウェアを携行しましょう。水分や食料も多めに持ち歩くのがオススメです。


・YAMAPなどの登山地図サービスなどで、事前にルートを把握しておくのがベター。地図に付された標準時間に沿って、行動計画もしっかりと練っておきましょう。


・山ごとの天気がわかる「天気と暮らす(通称てんくら」で事前に気象条件をチェックしましょう。登山指数がAかBの時に登山を行いましょう。登山指数がCでの登山はオススメできません。

この記事のレポーター

土庄雄平
土庄雄平
1993年生まれ、愛知県豊田市出身。会社員のかたわら、山岳自転車旅ライターとして活動する。飛騨地方の雪山が大好物。春は北アルプス麓の桜に見惚れ、夏は清流と瀑布に涼み、秋は霊峰白山の紅葉に抱かれる。

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