地元レポーター発!旅のコラム

ちょっぴりディープな高山の旅。宇津江四十八滝ハイキング&八光苑の飛騨とらふぐランチ

土庄雄平
土庄雄平
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飛騨高山といえば、古い街並みが印象的ですが、郊外に足を延ばすと、自然が豊かな秘境スポットが点在しています。その代表といえるのが、全国自然100選地、岐阜県名水50選地に選定された「宇津江四十八滝」です。

流れる水の美しさと力強さが調和した滝々は、繊細ながらも迫力があり、癒しの渓谷ハイキングを楽しめます。体を動かした後は、地元で有名な飛騨とらふぐランチの名店へ。冒険心をくすぐる、ちょっぴりディープな高山の旅を満喫しましょう。

大小の滝が連続する秘境「宇津江四十八滝」

「宇津江四十八滝」は、岐阜県高山市国府町宇津江に位置する滝群の総称です。宮川(神通川)の支流である宇津江川にあり、その上流に広がる渓谷に連なっています。往復2km弱の遊歩道が整備されており、約1時間の渓谷ハイキングを楽しむことができます。


名前から48の滝があると思われがちですが、実際には主に13の滝から構成されています。なぜ"四十八滝"と呼ばれるかというと、この場所に伝わる『よそ八伝説』によるものです。現在の滝の景観の中にも、その伝説の一端を垣間見ることができます。

「宇津江四十八滝」の3つの見どころポイントをご紹介

飛騨高山と飛騨古川をむすぶ国道472号線を曲がり、約7分車を走らせると「宇津江四十八滝レストハウス・しぶき」へ到着。駐車場へ車を止めたら、宇津江四十八滝の始まりです。

見どころポイントは大きく3つ。樹林帯に溶け込む単瀑、迫力抜群の連続瀑、そして周囲に広がる原生の自然です。


まず「宇津江四十八滝」の造形美を物語っているのが、樹林帯に溶け込む単瀑です。落差の大きいものから、幾重の流れを育むものまで、実に見応えある滝が続きます。目玉と言えるのが「王滝」。19mにわたって豪壮に轟く滝の姿は圧巻です。


また滝の中でも奥側にある「布晒滝(ぬのさらしだき)」は、岩肌へ清流が絹を晒したように流れ込み、優美な佇まいを見せてくれます。落差3mと小さな滝で、まるで森の中に現れるお姫様のような、可愛らしい雰囲気がポイントです。

続いて「宇津江四十八滝」の醍醐味と言えるのが、迫力抜群の連続瀑です。大小の滝が続く渓谷では、一つの線となって素晴らしい滝の景観を鑑賞することができます。例えば、先ほどご紹介した「王滝」ですが、遠目から眺めるとこの通り。


巨木が連なる原生林に溶け込み、下には小さな流れと滝が続いていきます。鳴り響く轟音から優しいせせらぎ音に。渓谷にこだまする音の強弱も心地良く、いつまでも眺めていたい癒しの風景が広がります。


また本格的な連続瀑としては、平滝・函滝・上段滝(夫婦滝)が連なるダイナミックな景観が見事です。上段滝には、四十八滝という名前がついた由来である『よそ八伝説』に欠かせない存在である不動明王が祀られているので、ぜひ探してみてください。

最後は、周囲に広がる原生の自然です。面白い形をしたカツラの木や、寝牛岩と名付けられた大岩まで、手付かずの樹林帯では様々な発見があります。中でも初夏から夏にかけて、緑が溢れかえるような広葉樹の緑のシャワーに感動します。


途中の王滝で引き返す方も多いですが、せっかくであれば最奥にある公園まで足を運んでみてはいかがでしょうか。大きな目玉と言える滝があるわけではないですが、ひたすら自然の中に没頭する時間は、日常に戻ったときの活力を授けてくれますよ。

飛騨の歴史と自然を感じる「創作料理 八光苑」

宇津江四十八滝ハイキングを楽しんだ後は、飛騨高山へ戻ってランチというのも良いのですが、せっかくであれば隠れ家的な名店へ足を運んでみてはいかがでしょうか。お店の名前は「創作料理 八光苑」さん。宇津江四十八滝の駐車場から車ですぐの場所に位置しています。


このお店でいただけるのは、近畿大学で生まれた稚魚を飛騨の山の中で養殖した、知る人ぞ知る飛騨の食材「飛騨とらふぐ」の料理。高級食材ですが、リーズナブルなお値段で、飛騨とらふぐ三昧のランチを楽しめます。なお特に土日は、事前予約が必須です。

筆者が訪れたときは、温かみのある和室へ案内していただいたのですが、このお部屋の空間が素晴らしくて感動しました!


一本の倒木に丸ごと彫りを入れた彫刻作品となった梁や、廃線の枕木を利用した壁や天井がユニーク。年間を通じて冷涼な山奥にあるため、春や秋でも薪ストーブが焚かれています。外を眺めれば、鮮やかな緑とコンコンと流れていく清流。


まさに飛騨高山の歴史と自然が、そのまま空間となったような趣あるお部屋となっています。町の中心部では味わえない、非日常のひとときを過ごせます。可能であれば事前予約で、お部屋の空きも確認しておくと良いでしょう。

名物・飛騨とらふぐ三昧のランチに舌鼓

ランチは2種類と懐石料理から選べますが、イチオシは税込2,750円の「飛騨とらふぐランチ」です。以下の内容がセットになっています。ランチにふぐのてっさが付いてくるとは驚き!多くのメニューにふぐが使用されていて、コース料理を思わせる豪華さです。


・小鉢    湯葉とふぐ皮のサラダ

・刺身    飛騨とらふぐてっさ

・焼物    豚肉と白菜のミルフィーユ

・揚げ物    飛騨とらふぐの唐揚げ

・御飯、お味噌汁(飛騨とらふぐ入り)


ふぐは骨が硬く、調理するのも一苦労。手のかかるふぐを数匹捌いて、趣向に富んだお料理を提供しながら、このお値段と内容を実現していただいていることに感動します。

まずは、ふぐのてっさ。身が引き締まって、透き通った刺身が、素材の良さを感じさせます。ひとくちいただくと、コリコリとした食感に優しい甘味。かめば噛むほど、滋味深い味わいが舌の上に広がっていくようです。もみじおろしのピリッとしたアクセントも◎ 皮までもれなく付いてきます。


続いて、ふぐの唐揚げ。大きな骨も丸ごと揚げているので、全てを食べられるというわけではないですが、表面はカリッと香ばしく、ふっくらした身と程よい塩味が相性抜群!思わずご飯が進みます。ふぐのお味噌汁も染み入る美味しさ。最後まで大満足の内容です。

食後は飛騨とらふぐの養殖を見学

食後にお店の方へ一声かけると、もし空いていれば店主さんが飛騨とらふぐの養殖所を案内してくださいます。宇津江四十八滝から流れる清らかな水の中で、スイスイ泳ぐ姿は元気いっぱい。またふぐの表情はどこか愛嬌があります。


塩分濃度が低いので、穏やかなふぐが育つこと。店主さんが飛騨とらふぐの養殖を教わった方は、かつて畑の一角で養殖していたこと。ふぐは扱いが難しく、捌ける人がいないので、料理人の自分が飛騨とらふぐの養殖をはじめたことなど、面白いお話をたくさん伺うことができました!


いかがでしたでしょうか。半日あれば満喫できる「宇津江四十八滝ハイキング&八光苑の飛騨とらふぐランチ」。ぜひちょっぴりディープな高山旅を楽しんでみてください。

この記事のレポーター

土庄雄平
土庄雄平
1993年生まれ、愛知県豊田市出身。会社員のかたわら、山岳自転車旅ライターとして活動する。飛騨地方の雪山が大好物。春は北アルプス麓の桜に見惚れ、夏は清流と瀑布に涼み、秋は霊峰白山の紅葉に抱かれる。

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