地元レポーター発!旅のコラム

地元ライターおすすめ!岐阜の雪山登山スポット4選。冬の絶景・霧氷を愛でる山旅

土庄雄平
土庄雄平
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過冷却によって、空気中の水分が木々に付着する現象「霧氷(むひょう)」。

限られた気候条件でしか見られない冬山の風物詩ですが、枯れた木がさながら満開の桜となって咲き誇っているような姿は、一度見ると忘れられない美しさです。

今回は、そんな霧氷の魅力にとりつかれたアウトドアライターの筆者が、岐阜の山の中から”霧氷の名山”を厳選してご紹介!雪山登山の初心者の方に向けて、準備や計画の注意事項も合わせてお伝えしたいと思います。

雪山登山で押さえておきたい7つのこと

  • 大日ヶ岳から眺める冬の白山

無雪期よりも求められる体力や準備のレベルが上がる雪山登山。以下の7つのポイントを押さえておくことが必要です。


・十分な体力をつけておく

・雪山登山に適した靴、ウェア、手袋を用意する

・アイゼンやワカンなどの雪山専用装備を用意する

・必ず入山前に登山計画書(登山届)を提出する

・初めていく山の場合、人が多い土日祝日に計画する

・当日天候が悪ければ入山しない

・YAMAPなどの登山地図GPSサービスを利用する

  • 山によってはワカンを持参することも

しっかり雪山登山に適した装備を整えた上で、リスクマネジメントを怠らないことが大切。


雪山は遭難のリスクも上がるので、あらかじめ登山地図GPSサービスで登る山のマップを確認しましょう。

アプリと連携すれば、自分がどこにいるのか?GPSで随時位置を確認できます。スマートフォンでも連携可能です。

霧氷を見るには?

  • 枯れ木をに咲く、純白の花のよう

冬山の風物詩・霧氷(むひょう)。生成されやすいのは、以下の3つの気候条件が揃ったときになります。


(1)気温・・・氷点下の気温(できれば-3℃以下)

(2)微風・・・無風でない

(3)湿度・・・空気中に霧や雲などの水分がある(降雪の翌日)


ここに翌日の天気が晴れとなると、かなりタイミングを見極めないといけないのですが、鑑賞できた時の感動と達成感はひとしおです。


それでは次に霧氷が楽しめる筆者オススメの雪山をご紹介したいと思います。

【中津川市】富士見台高原(ふじみだいこうげん、標高1739m)

  • 恵那山を背景に、白銀の稜線を歩く

中央アルプスの南端、恵那山系にある「富士見台高原」。中央アルプスや南アルプスといった日本の名峰を望む、なだらかな山です。


神坂峠まで車でアプローチでき、山頂まで20分ほどの手軽さから人気の高い山ですが、実は一番オススメの季節が冬です。


なぜなら稜線が雪に覆われて、白銀世界へ変わり、樹氷と青空の息を呑むほど美しいコントラストが待っているから。

  • 神秘的なカラマツ霧氷の森
  • モンスター級の霧氷が生成されることも
  • どこかメルヘンチックな富士見台高原

また笹原の景色に、カラマツの霧氷が点在する風景は、どこか”メルヘンチック”です。まるで物語の中に迷い込んだような世界観を見せてくれます。


冬季は車でのアクセスが難しいため、ヘブンスそのはらのゴンドラとリフトを乗り継ぎ、林道を歩いて神坂峠までアプローチします。

【高山市】位山(くらいやま、標高1529m)

  • 山頂一帯が霧氷の森となる位山

飛騨高地の中央に位置している「位山」。古くから霊山として信仰の対象になった郷土の山で、日本二百名山にも選ばれています。


冬季にはスキー場・モンデウス飛騨位山スノーパークのゲレンデの横を歩いて入山するのが一般的です。


全体的にルートは明瞭ですが、初見だと少し分かりづらいポイントもあるため、念のために登山地図GPSサービスを利用するのがオススメ。

  • 山頂に咲き誇る一本の"霧氷ザクラ"
  • 幻想的な霧氷のトンネルを進む
  • 光が差すと、また違った表情に

冬の飛騨地方の山は晴れることが珍しいですが、気候条件が揃えば、霧氷のトンネルを歩く非日常な登山が楽しめます。


筆者が訪れた時には、位山山頂でまるで一本の冬桜が満開を迎えているように、圧倒的に美しい霧氷が佇んでいました。

【高山市/飛騨市】猪臥山(いぶしやま、標高1519m)

  • 霧氷の窓に覗く北アルプス

高山市と飛騨市にまたがる「猪臥山」。白山、立山連峰、穂高連峰、乗鞍岳、御嶽山といった日本屈指の高山オールスターズを望む、知る人ぞ知る名山です。


登山口は、卯の花街道・猪臥山トンネル南入口手前から。広い駐車場は冬季になると多くの登山愛好家で賑わいます。


アイゼンを使えば危険な箇所はなく、登山道の半分が林道歩きで、往復4時間程と、雪山初心者にも最適の内容となっています。

  • 見上げれば鮮烈な"霧氷の天井"
  • 北アルプスを見渡す山頂の大パノラマ
  • 山頂直下のカラマツ霧氷

山頂直下には、カラマツ霧氷の森が形成されています。見上げれば、頭上を覆い尽くすほどの”霧氷の天井”。まさに雪山が作り上げる絵画的風景です。


山頂周辺へ至ると、北アルプス峰と霧氷の共演を楽しめます。ダイナミックかつ引き込まれるような青と白の景色は、思わず息を呑む美しさです。

【高山市/飛騨市】天蓋山(てんがいさん、標高1527m)

  • 山頂から眺める北アルプス・薬師岳

猪臥山と同じく、高山市と飛騨市にまたがる「天蓋山」。名称は山の形が、仏像の上にかざす衣笠(きぬがさ)に似ていることに由来しています。


登山道は飛騨市山之村キャンプ場から。往復4時間前後と負荷も高くなく、登山者も多くないため、静かな雪山歩きを楽しめるのが魅力です。


前半は沢に沿って歩き、雀平まで至ると北アルプスが顔を覗かせます。天蓋山からはなんと、11座もの日本百名山を眺めることができるのです。

  • 剱岳と霧氷のコラボレーション
  • 向かいには圧倒的な存在感の白山
  • 下山はところどころヒップソリを楽しむ

霧氷のトンネルを越えて山頂へ至れば、剱岳と霧氷のコラボレーションが待っています。たおやかな薬師岳の山容にも見入ってしまいます。


唯一の難点はアクセスだけ。登山口へ向かう途中、峠を通過するので、スタッドレスタイヤは必ず履いてくださいね。

閉ざされた冬こそ味わえる。岐阜の山の魅力

  • 冬山限定の芸術作品へ会いに行こう

いかがでしたでしょうか。少しマニアックですが、岐阜の雪山登山の魅力と霧氷の絶景をご紹介しました。


オールシーズン素晴らしい岐阜の自然ですが、筆者のイチオシは冬です。ハードルは上がるものの、閉ざされた冬だからこその山の輝きを楽しめます。


ぜひ体力をつけて、装備を揃えて、岐阜の雪山を歩いてみてはいかがでしょうか。感動的な霧氷に出会ったら、きっと雪山登山にハマること間違いなし。

この記事のレポーター

土庄雄平
土庄雄平
1993年生まれ、愛知県豊田市出身。会社員のかたわら、山岳自転車旅ライターとして活動する。飛騨地方の雪山が大好物。春は北アルプス麓の桜に見惚れ、夏は清流と瀑布に涼み、秋は霊峰白山の紅葉に抱かれる。

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