地元レポーター発!旅のコラム

日本の原風景にひたる、八百津町の隠れ宿「泊り家あかね」宿泊体験記

土庄雄平
土庄雄平
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どこか懐かしくて、夏休みの記憶を呼び起こすような田舎旅がしたい。そんな想いにぴったり寄り添う宿が、八百津(やおつ)町の「泊り家 あかね」です。自然に包まれた純和風建築の空間で、日本の原風景に浸るひとときを体験してきました。

自然と街のちょうどいい距離感、八百津で過ごす旅

  • 日本の原風景に佇む「泊り家 あかね」
  • ノスタルジックな雰囲気を醸し出す

岐阜県八百津町は、面積の約8割を山林が占める自然の宝庫。標高約500mに広がる久田見高原は、まるで昔話に出てくるような日本の原風景そのもの。「泊り家 あかね」は、その静かな風景のなかに溶け込むように佇んでいます。

  • 都会から近い理想の田舎と話題

ちなみに八百津町は、自然に囲まれた暮らしを楽しみつつ、都市部とも無理なくつながれる“ちょうどいい距離感”が魅力。名古屋から高速を使わずに約2時間でアクセスでき、移住先としても注目されています。

和の趣あふれる別館「藍」で、心ゆくまでくつろぐ

  • 水入らずの時間を過ごせる別館「藍」
  • 一棟貸しのようなお部屋へGO

新館「あかね」には4〜8名で泊まれるお部屋が3室、別館「藍」には2〜4名向けの離れが7室。あわせて全10室が用意されています。今回、筆者は家族3人での滞在だったため、「藍」にある客室のひとつ〈つばき〉に泊まりました。

  • 純和風建築の趣がつまったお部屋
  • ひんやりと心地よい掘りごたつ
  • 木の温もり包むお風呂も貸切

部屋には清々しい畳が敷かれ、大きな窓とテラスが開放感を生んでいます。掘りごたつも設えられていて、夏には足元がひんやりとして気持ちよく、季節ごとに快適な過ごし方ができます。「藍」のすべての客室には内風呂がついており、木の香りに包まれながら、心ゆくまで湯に浸かることができました。

  • 嬉しそうに過ごす我が子
  • テラスの景色がお気に入りのよう
  • 専用の駐車場でストレスフリー

藍の宿泊者専用の駐車場もあり、離れならではの静けさと、まわりを気にせずに過ごせるぜいたくな時間が流れます。細やかな意匠が施された和の空間は、どこを見ても落ち着きがあり、同時に美しさが感じられました。

一皿ごとに驚きと感動を。夕食で味わう山里の豊かさ

  • 飛騨牛のしゃぶしゃぶに舌鼓

「泊り家 あかね」での滞在の醍醐味は、なんといっても夕食。京都・祇園のミシュラン星付き店で修業を積んだシェフが手がける本格和食が味わえます。メインは「飛騨牛」のすき焼きまたはしゃぶしゃぶから選べる4種のコース。筆者は「飛騨牛もも肉のしゃぶしゃぶ」を選びました。

  • 自家製のごまだれにラー油が最高
  • 海の幸・イサキのしゃぶしゃぶも

ポン酢とごまだれ、2つのタレで楽しめますが、特にごまだれは香り豊かでコク深く、ラー油を加えるとピリッとしたアクセントが絶妙。さらに、活け締めイサキのしゃぶしゃぶも絶品で、ぷりぷりの食感と旨みがたまりません。

  • 真心のこもった前菜をいただく
  • とうもろこしの冷製スープも美味

「山芋そうめん」は宿の名物と言える逸品。扱いが難しい山芋を丁寧に仕上げた極細のそうめんは、のど越しが良く、出汁の風味とともに口の中にやさしく広がります。追いカツオ出汁の味玉子や、和牛ローストビーフマリネなど一緒に提供される前菜も豪華です。

  • 自家製の鮎の一夜干しは絶品
  • 趣向の凝らされた「これって肉じゃが?」
  • 風味が一段と強い地元の茶飯

さらに、自家製の鮎の一夜干しは骨までカリッと揚げられており、凝縮した旨味が口に広がります。そのほかにも、「これって肉じゃが?」という遊び心ある一皿や、香ばしいお茶で炊いた地元産の茶飯まで、最後のひと口まで感動の連続でした。

時間がゆっくりとけていく、山の宿の夜

  • 薄明の景色に心を洗われて

宿の周辺には、特別なものはありません。一方で、宿の周囲には日常で忘れがちな時計に縛られない時間と、その経過とともに緩やかに移りゆく景色があります。

  • どこか懐かしさが込み上げる景色
  • 日本人の心に訴えかける時間

夕食を終えるころ、空は少しずつ茜色から群青へと移ろい、宿にあかりが灯りはじめます。ひぐらしの声と涼しい風に包まれながら歩く帰り道には、どこか懐かしい野の香りが漂い、五感すべてで田舎の夕暮れを感じるひとときとなりました

  • 満点の星空を見上げて

部屋に戻ったあとは、子どもと一緒にお風呂に入り、少し遊んでから寝かしつけます。寝静まったあと、持参したPCで3時間ほど仕事をこなし、ひと息ついたところで庭を散歩へ。ふと見上げた夜空には、驚くほどの星が瞬いていて、心がすっと洗われるような、そんな静かな夜を過ごしました。

山の朝ごはんで、体の奥から満たされる

  • 清々しい空気に包まれる早朝
  • 陽射しの中でも、どこか涼やか
  • 涼しい気候のため、まだ見頃の紫陽花

朝は野鳥のさえずりに誘われるように目を覚まします。ふと外に出てみると、空にはわずかに朝焼けの名残があり、新しい一日が静かに動き始めていました。まだ陽の届かない山肌にも、少しずつ光が差し込みはじめ、空気はひんやりと心地よく、真夏の7月であることを忘れてしまいそうになります。

  • シンプルなご飯とおかずというぜいたく
  • 旨味が凝縮した干物は好みの火加減で
  • なめこ汁でお腹も心も温まる

お腹を空かせてお食事処へ向かうと、待っていたのは炊きたての白米にぴったりなおかずが並ぶぜいたくな朝ごはん。なめたけやしらすおろし、温泉卵にお漬物まで、どれも素朴でありながら丁寧に仕上げられており、まるで山里の暮らしをそのまま味わっているような気分になります。

  • なめたけでご飯がすすむ
  • しらすおろしで朝を爽やかに
  • 温泉卵は沁み入る美味しさ

香ばしく焼いて味わう厚揚げや干物も絶品!派手さはないけれど、これほど心に沁みる朝ごはんは、忙しい日常のなかではなかなか用意ができません。艶が立った白ご飯も思わずおかわりしたくなるほどの美味しさで、最後まで箸が止まりませんでした。

日常を忘れて、ただ田舎の宿で過ごすというぜいたく

  • 庭で好きなように過ごすひととき
  • ハンモックに揺られて日向ぼっこ
  • 心惹きつけられる風景を見つけたり

観光が目的ではなく、「この宿に泊まること」が旅の目的になる——そんな旅のかたちも、時にはいいものです。別館「藍」の庭にはハンモックがあり、揺られながらのんびり日向ぼっこ。日中でも風が心地よく、日常を忘れさせてくれます。

  • 地元のおそうめんと天ぷらを堪能
  • スイーツまで最高のランチを楽しむ

11時チェックアウトのプランだったので、子どももゆっくりお昼寝。目覚めたあとには、昼食までいただくことができました。宿の食事と重ならないようにと、地元のおそうめんと天ぷらを中心とした特別メニューに変更していただき、心遣いと味に感激しました。

  • また来たい懐かしさで満たされる宿

どこか懐かしい、夏のひとときを過ごしたい。そんな想いを叶えてくれた「泊り家 あかね」は、また訪れたくなる、大切な場所です。

この記事のレポーター

土庄雄平
土庄雄平
1993年生まれ、愛知県豊田市出身。会社員のかたわら、山岳自転車旅ライターとして活動する。飛騨地方の雪山が大好物。春は北アルプス麓の桜に見惚れ、夏は清流と瀑布に涼み、秋は霊峰白山の紅葉に抱かれる。

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