地元レポーター発!旅のコラム

飛騨古川「朝霧の森」

永田 薫(MAG!C☆PRINCE)
永田 薫(MAG!C☆PRINCE)
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飛騨古川には年間10回以上訪れています。今ではまるで第二のふる里のような存在です。 最初に訪れた時には、同じ岐阜県内にこんな素晴らしい場所があったんだ!と感動しきりでした。観光から興味が始まり、次第に飛騨のお酒や食べ物に惹かれ、飛騨の魅力にどんどん引き込まれていきました。

何度も通ううちに、以前は駆け足で観光していた場所も、今ではゆっくりと味わいたくなるような癒しの空間となっています。飛騨市は、僕にとって特別な癒しの場所です。

飛騨を訪れると、山歩きをしながら「これは薬草だよ」と教えてくれる同行者がいて、その影響で見かけた草に「これは何だろう?」と興味を持つようになりました。今回は、散策をしながら薬草を見つけられる「朝霧の森」にスポットを当て、歩きながら学べる場所をご紹介します。

≪朝霧の森≫

全長1.77kmの「朝霧の森」コースを、黒内屋内運動場から北コースへと歩いてみました。散策時間の目安は約1時間とのことでしたが、薬草を探したり写真を撮ったりしていたため、実際には1時間半ほどかかりました。


山道や坂道もあるため、歩きやすい服装や靴、水分補給用の飲み物を持っていくことをおすすめします。

≪北ルートからスタート≫

いざ出発!と歩き出した途端、「これがユキノシタです」と教えてもらいました。子どもの頃、帰り道でちぎって遊んでいた葉っぱにどこか似ている気がしました。


調べてみると、ユキノシタは、民間療法でむくみや虫刺され、湿疹に効くとされているそうです。そういえば、葉をつぶして足に塗ったことがありましたが、あれがもしかしたらユキノシタだったのかもしれません。懐かしい思い出が蘇りました。


若い葉は山菜として天ぷらなどにもされるとのことです。そして、よく目を凝らしてみると、山菜そばなどで見かける「ワラビ」も発見!自分の力で見つけられたので、ちょっと嬉しくなりました。

≪色んな薬草≫

山の中でも見つけられた「ドクダミ」。生で絞ったり、乾燥させたりと、さまざまな使い方ができる植物です。古川の町には、ドクダミを生絞りできる場所もあるそうです。


飛騨市民の方々と話していると、クズの花とドクダミがよく話題に上がるので、個人的にはとても面白いです。また、薬局でお茶としても販売されており、幅広く使われていることを実感します。


草木の間に白い花が咲いていて、「ササユリ」と教えていただきました。花屋で見かけるような大きく豪華なユリとは少し違い、とても繊細な印象を受けました。葉の形が笹に似ていることから「ササユリ」と名付けられたそうで、日本特産のユリとして「ヤマユリ」とも呼ばれています。


花として美しいだけでなく、ササユリの球根を乾燥させたものは生薬としても利用され、滋養強壮や解熱、鎮静、利尿作用などから漢方薬にもよく配合されるそうです。草ではありませんが、山の中でも活用されているんですね。

≪よく聞く薬草≫

飛騨古川にいるとよく耳にする「クロモジ」という単語。こんなに細い枝なのだと、全体を見て初めて実感しました。初めて見る「タムシバ」、蜂蜜の種類で知っていた「ソヨゴ」など、初めての植物にも出会いました。


「タカノツメ」といえば唐辛子しか知りませんでしたが、実は樹木の名前でもあるのですね。飛騨の自然の中でその木を見つけ、改めて植物の多様さを実感しました。また、飛騨に来たときには必ずと言っていいほど食べる“朴葉味噌”に使われる葉も発見!知っているものを見つけるとやはり楽しいです。


「キイチゴ」や「ヤマグワ」の実も見つけました。休憩できる場所があったので、寝転んで深呼吸をしてみました。目を閉じると、風で草木が揺れる音ややわらかな光を感じ、自然を全身で味わうことができて、心からリラックス。思わず一瞬眠ってしまいました。できることならずっとここで眠っていたかったです。


薬草と自然をたっぷり感じることができた「朝霧の森」、最高の体験でした。

≪飛騨市と薬草≫

飛騨市には、245種類以上の薬草が自生しています。2024年9月には「第1回全国薬草フェスティバル in ひだ」も開催され、注目が集まりました。イベントがない時でも、古川の町には薬草を使った工夫が随所に見られます。


薬草というと少し難しいイメージがあるかもしれませんが、ワークショップも体験できるので、ぜひ気軽に楽しんでみてください。僕のように知らないうちに薬草の世界に惹かれていく、そんなきっかけになれば嬉しいです。


≪飛騨古川桃源郷温泉≫

今回は時間がなく、温泉には入れませんでしたが、自然の中を歩いた後の温泉は最高ですよね。季節が変わると、出会える薬草や景色も変わると思いますので、また違った時期に訪れて温泉も楽しみたいと思います。


飛騨では、ハーブのお風呂やりんご風呂(9月~2月)など、季節ごとに楽しめる温泉もありますよ。

≪古川の町でも、薬草をいただけます≫

薬草についていろいろと学んだ後は、ゆっくりと薬草を楽しむひとときを過ごしました。


古民家でクラフトコーラやクロモジコーヒーをいただきながら、「これがさっき朝霧の森で見たクロモジか…」と改めて思いを巡らせるのも楽しいですね。そんなひとときを、ぜひ皆さんも味わってみてはいかがでしょうか。


≪その他≫

「健康ウオーキング」として開催されている日もありますので、ぜひチェックしてみてください。

この記事のレポーター

永田 薫(MAG!C☆PRINCE)
永田 薫(MAG!C☆PRINCE)
1996年10月6日岐阜県岐阜市生まれ。岐阜市プロモーション大使。飛騨市観光プロモーション大使。
ボーイズグループMAG!C☆PRINCEのメンバーとして、東海地方を中心に活動中。
テレビやラジオ番組・舞台などで、活躍の場を広げている。

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