地元レポーター発!旅のコラム

「ONSEN・ガストロノミーウォーキング in 奥飛騨温泉郷 平湯」に参加して!

透 千保
透 千保
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2025年5月、岐阜県高山市の奥飛騨温泉郷・平湯にて、「ONSEN・ガストロノミーウォーキング」が開催されました。
「ガストロノミー」とは、フランス語で“美食学”の意味。地域の食文化に触れる旅「ガストロノミーツーリズム」は、欧米を中心に広がりを見せています。

岐阜県では2014年から、フランス・アルザス地方と交流を重ねており、このイベントもその取り組みに着想を得たもの。全国で広がる中、平湯での開催は今回が3回目となります。

中部山岳国立公園奥飛驒ビジターセンターを起点に、全長約6km、所要時間2.5~3.5時間のコースを歩くガストロノミーウォーキング。しかも温泉地が舞台です。

その魅力を体験レポート形式でご紹介します!

出発式

まずは、岐阜県の関係者や、国際交流先であるフランス・アルザスの方々、ウォーキングツアーの参加者による出発式が行われました。

地域の伝統芸能「平湯の獅子舞」で邪を払い、旅の安全を祈願。その後は、地元酒蔵による日本酒スパークリングと、甘酒の炭酸割りで乾杯。


すでにほろ酔い気分の中、時間差をつけて各グループがスタートします。

参加者には、公式ポシェットが配布され、引換グルメ券や日帰り入浴券、そしてヒノキのぐい吞みも入っていました。


最後のグループを見送り、私もスタッフと共に出発です!

平湯自然探勝路

平湯温泉街に入ると、すぐに第1ポイントのテントが設けられていて、まずは腹ごしらえ。ここでは、つるや商店の「はんたい玉子」、そしてラーメン酒場やどり木のおつまみ3種をいただきました。

「はんたい玉子」は、地元平湯の名物で、黄味が固く白身が半熟という、温泉たまごとは逆のユニークな一品。絶妙な食感と味わいで、観光客に人気の逸品です。


合わせて提供された地酒は、「白真弓純米吟醸 飛騨の涼風 夏風」。すっきりとした飲み口で、ウォーキングのスタートにぴったりでした。


さらに、飛騨産トマトジュースも濃厚な味わいで印象的。自然の恵みを感じさせてくれます。


◆つるや商店

住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯519

営業時間:8:00~20:00

定休日:不定休

TEL:0578-89-2605 



腹ごしらえを終えて向かうのは、「平湯自然探勝路」。うっそうと茂る原生林の中を歩くルートで、道中は鳥のさえずりと川のせせらぎに癒される時間。


雨が降る中でのウォーキングでしたが、傘を差して73段の丸太階段を登る場面は、なかなかの挑戦。木が濡れて滑りやすく、日頃の運動不足を実感しました。

苦労しつつ階段を登りきると、第2ポイントが見えてきます。


ここでは、平湯温泉の人気入浴施設「ひらゆの森」の社長・山田 幸一さんが、スタッフの皆さんと一緒に笑顔で迎えてくださいました。

提供されたのは、山菜の煮物と地酒「天領純米吟醸 ひだほまれ」。しっかりと味が染みた山菜の煮物は、優しく身体に沁み入りました。


まだまだ先があることを考えて、今回はお酒ではなくお茶を選びましたが、地元ならではの料理とおもてなしに、心まで温まりました。


◆ひらゆの森

住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯763-1

営業時間:日帰り入浴10:00~21:00(最終受付20:30)宿泊15:00~10:00

定休日:年中無休(メンテナンス休業有)

TEL:0578-89-3338



平湯キャンプ場とかもしか橋

次に国道158号線を渡って、平湯キャンプ場へ。北アルプスの山々を眺めながらのウォーキングは爽快です。

第3ポイントでは、「まんま農場」のグルテンフリー米粉パンと、飛騨産すくなかぼちゃのスープをいただきました。


ふわふわの米粉パンはおかわりしたいほどの美味しさ。冷えた体にスープが染みわたります。

その後、風情のある「かもしか橋」を渡って、平湯大滝を目指します。橋の下を流れる川は、神通川の最上流部にあたるとのこと。


雨に濡れた道を進みながら、川音や緑の香りに包まれる時間でした。



◆平湯キャンプ場

住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯768-36

営業時間:4月~11月9:00~18:00  12月~3月9:00~16:00

定休日:なし

TEL:0578-89-2610



平湯大滝

傾斜のある道を登っていくと、滝の音が徐々に大きくなり、「平湯大滝」が姿を現します。


日本の滝100選に選ばれ、飛騨三大名瀑の一つでもあるこの滝は、落差64メートル、幅6メートルの大迫力。身体中でマイナスイオンを浴びて、エネルギーをチャージ!

第4ポイントにはキッチンカーが並び、「ゴッドヒルビルト」の飛騨ジビエコロッケ、「とんとんトン&ありがトン」のいちごけずり。


そして3種の地酒飲み比べ(老田飛騨乃雪室酒 純米大吟 醸無濾過 生原酒/白真弓 とろーりにごり原酒/久寿玉 原酒超辛口)という贅沢なラインナップが楽しめました。

ジビエの旨味が詰まったコロッケに冷たいスイーツ、そしてキリッとした地酒。滝の景観とともに、五感で楽しむポイントとなっていました。


◆平湯大滝

住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯

問い合わせ先:奥飛騨温泉郷観光協会

TEL:0578-89-2614



平湯温泉スキー場

川沿いの道を下り、再び国道158号方面へ戻ると平湯温泉スキー場が見えてきます。標高1300mに開かれたスキー場で、冬はすべて天然雪。パウダースノーが楽しめます。


第5ポイントは「お食事処 あんき屋」

ここでは、香ばしく焼かれた飛騨牛の串焼きが振る舞われました。噛むほどに旨味が広がり、ジューシーな味わいに大満足。


飛騨産のりんごジュースや地ビールも提供され、おみやげとして持ち帰る方の姿もありました。


◆お食事処あんき屋

住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯768-36

営業時間:夏季4月1日~12月第3土曜日まで11:00~20:00(ラストオーダー19:00)定休日:水曜日

冬季12月第3日曜日~3月31日まで8:00~17:00(ラストオーダー16:00)

冬季期間中は無休

TEL:0578-89-2755



平湯民俗館と平湯神社

終盤にさしかかると、徐々に疲れも感じ始めます。そんな中、合掌造りの家屋が立ち並ぶ「平湯民俗館」が目を引きます。

酒処「禄次」では、ミニおむすび2種類と味噌汁が提供され、ホッとひと息。味噌汁には飛騨産のネギとなめこが入っていて、やさしい味。


地酒「蓬莱 純米大吟醸 色おとこ」もありましたが、ここでも嗜む程度に。 

歴史ある神社と古民家の風景。歩きながら、飛騨の暮らしに少しだけ触れたような気持ちになりました。


◆平湯民俗館

住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯29

営業時間:09:00~17:00

定休日:木曜日


◆平湯の湯

営業時間:夏季06:00~21:00、冬季08:00~21:00 

定休日:不定休


◆酒処「禄次」

営業時間:17:30~22:00 (ラストオーダー21:00)

定休日:木曜日

TEL:0578-89-3339



平湯バスターミナル付近

全国第3位の湧出量を誇る「奥飛騨温泉郷」は、湯煙が立ち上る風景が街のあちこちで見られ、温泉情緒に満ちたエリアです。


ウォーキング終盤、足湯に浸かって一息つくことができるのも、このコースならではの魅力。立ち寄ったのは、平湯バスターミナル付近の最後のガストロノミーポイント。

ここでは、フランス・アルザス地方の料理や、飛騨の素材を活かした「ひだチーズムース」が振る舞われました。


ドリンクとしては、アルザスワインや飛騨産桃ジュースも用意され、まさにフィナーレにふさわしいメニュー。


ゴールに到着

ウォーキングの達成感とともに、自然・食・文化の豊かさに触れた余韻をかみしめながら、ようやくゴールに到着。


中部山岳国立公園奥飛驒ビジターセンター前に戻ってきました。


会場にはマルシェ(地元物産市)も開かれており、飛騨の特産品や限定グルメを購入する参加者の姿が多く見られました。

アルプス街道平湯

「平湯バスターミナル」は、奥飛騨温泉郷の交通の拠点。


高山方面だけでなく、乗鞍岳・上高地方面への路線バスや、新宿・松本方面への高速・特急バスも発着しています。

併設されている「アルプス街道平湯」には、1階にレストラン「アルプスホルン」や地元の特産品が並ぶ売店「アルプラザ」があります。


人気商品は「らいちょうの里(焼き菓子)」「高山ラーメン」「朴葉味噌」とのこと。

2階には団体客向けのレストランも完備されています。 テイクアウト商品も充実していて、飛騨牛を使用した串焼き、牛まん、ソフトクリームやコーヒーもありますよ。


バスの待ち時間に利用してみてはいかがでしょうか。


◆アルプス街道 平湯(平湯バスターミナル内)

住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯628

営業時間:1Fレストラン「アルプスホルン」 9:00~15:30(ラストオーダー15:00)

1F売店「アルプラザ」 8:30~16:30(4/17~11/15の間は、8:00~18:00)

TEL:0578-89--2611(食事・売店関連)



中部山岳国立公園 奥飛驒ビジターセンター

バスターミナルのすぐ隣には、2024年7月にリニューアルオープンした「中部山岳国立公園 奥飛驒ビジターセンター」があります。

ここでは、乗鞍岳や穂高連峰、五色ヶ原の森など、自然公園や周辺の天候・観光・交通情報が得られるほか、地形や地質の紹介、各種体験プログラムも充実。


インフォメーションエリア、多目的エリア、くつろぎスペースなど、旅の準備や休憩にぴったりの施設です。

館長の田中裕さんによると、初めての方はもちろん、リピーターの方の相談も多いそう。平湯温泉観光案内所も併設し、地元に根ざした情報の発信拠点として、多くの方に親しまれています。


◆中部山岳国立公園奥飛驒ビジターセンター 

住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯763-12

営業時間:9:00~17:00

定休日:水曜日

入館料:無料

TEL:0578-89-1251

FAX: 0578-89-1252



おわりに

奥飛騨の豊かな自然と食文化、そして人々のおもてなしに触れられる「ONSEN・ガストロノミーウォーキング」。今回はイベントとして体験しましたが、平湯温泉では個人でも気軽に歩けるコースが整備されています。


ビジターセンターなどで配布されているガイドマップ「奥飛騨温泉郷 湯ったりウォーク」には、「平湯ONSEN・ガストロノミーウォーキングコース」も掲載。


約10km・所要3時間のコースを、体調や時間に合わせて無理なく楽しめます。散策のあとは、日帰り入浴もぜひどうぞ。


◆平湯温泉観光案内所

住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯763-12(中部山岳国立公園奥飛驒ビジターセンター内)

営業時間:9:00~17:00

TEL:0578-89-3030

FAX: 0578-89-3130



この記事のレポーター

透 千保
透 千保
岐阜市出身・在住。
フリーアナウンサー、ビジネスマナー講師。
公共交通機関の案内アナウンスも担当。
海外渡航歴21カ国。ニュースや番組取材を通じて得た岐阜の魅力を、多くの方にご紹介します。

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