地元レポーター発!旅のコラム

白川郷平瀬温泉「民宿 山水」宿泊体験記 | 白山登山者に愛される温泉民宿で癒される前泊の旅

土庄雄平
土庄雄平
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夏に入ると本格的な登山シーズンに入りますね。今年はどの山に登ろう?と計画を立てていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

今回はそんな方へ、日帰りで帰ってこられる山でありながら、あえて登山口の周辺で前泊もしくは後泊をする選択をオススメしたいと思います。

長時間の歩行が必要な登山道の近くには、必ずと言って良いほど、登山客に愛される名宿が存在します。登山に宿泊を組み合わせることで、登山旅行の充実度がグンと上がりますよ!

そこで今回ご紹介したいのは、「白山(はくさん、標高2,702m)」の山麓・白川郷平瀬温泉にある「民宿 山水(さんすい)」です。

郷土の味覚が詰まったお料理と、野趣ある源泉掛け流しの温泉で、たっぷり活力をいただけます。

知る人ぞ知る白山麓の白川郷平瀬温泉

  • 白水湖畔の大白川露天風呂

岐阜の温泉といえば、下呂や奥飛騨を思い浮かべる方が多いと思いますが、実は世界遺産・白川郷合掌造り集落の近くに、秘湯の風情をみせる温泉地があるのはご存知でしょうか。


それが国道156号線(白川街道)沿いにある「平瀬温泉」です。広義では白川郷に位置することから、近年は”白川郷平瀬温泉”とも呼ばれるようになりました。


源泉は白川村が1972年(昭和47年)に掘り当てた大白川温泉。現在も県道白山公園線が開通する夏〜秋の間、白水湖の湖畔で「大白川露天風呂」として営業しています。


そんな大白川温泉ですが、実は配湯管が麓の集落までのびていて、給湯装置を設置すれば、各家庭でも有料で使用できることは、あまり知られていないのではないでしょうか。


こうした背景もあり、麓には温泉民宿や旅館が軒を連ねて、白川郷平瀬温泉というこじんまりとした温泉街が形成されました。

白山登山者に愛される古き良き宿

  • 昔懐かしい佇まいの温泉民宿

そんな白川郷平瀬温泉のなかで、登山者に愛されている一軒の温泉民宿があります。お宿の名前は「民宿 山水」です。


前に触れた平瀬温泉の源泉・大白川温泉が湧いているのは、日本三霊山の一つ「白山」の東山麓。白山までの主要な登山道の一つ・平瀬道(ひらせどう)の登山口になります。


つまり平瀬温泉は白山登山の拠点として最適なのです。日の出前に出発するお客さんのために、1泊夕食付きプランもしっかりと用意されています。

  • 実家に帰ったようなアットホームなお部屋

登山愛好家が泊まる温泉民宿ということで、お部屋はどこか山荘を思わせる素朴な雰囲気。


畳に布団とシンプルですが、まるで自分のおばあちゃんの家に上がり込んだような飾らない空間に癒されました。

岩造りの露天風呂と乗鞍岳の描かれた内湯

  • 源泉掛け流しの広々とした内湯

平瀬温泉の泉質は、ほのかに硫黄の香りが漂うナトリウム塩化物泉。メタケイ酸を豊富に含んでおり、高い保湿性を備えているのが特徴です。


美肌効果が期待できるほか、婦人病にも効能があると言われて、”子宝の湯”とも称されています。


こんこんと源泉かけ流しで供給される熱々の温泉。まさに山から湧き出るエネルギーが身体に流れ込み、身も心もリセットしてくれるようなお湯でした。


内湯は、北アルプスの名峰・乗鞍岳(のりくらだけ、標高3,026m)を背景に、善五郎の滝が描かれたレトロな銭湯風になっています。山好きにはたまらないですね。

  • 手作り感満載のワイルドな露天風呂
  • 滞在中、何度でも入れるのが嬉しい

その一方で露天風呂は、巨石で囲って作り上げた野趣ある浴槽。正直、道を歩いている人が岩に登って、お風呂を覗き込めば見えなくもない開放感なのですが、このワイルドさもまた味わい深いです(笑)


巨石にもたれかかりながら、すべすべのお湯で身体を芯から温めます。少しぬるめの湯温設定なので長湯することができ、滞在中、24時間何度も入れるのが嬉しいですね。


「民宿 山水」は4部屋の小さなお宿で、内湯・露天ともに男女の区別がありません。そのため事実上、家族風呂として利用することができますよ。

85%以上が飛騨の食材。地産地消の手料理

  • 手作りの郷土料理がずらりと並ぶ

夕食は、地産地消の田舎料理。ご主人が育てた野菜や、地元で採れた山菜などが並びます。川魚も地元で釣ったもので、85%以上の食材が地元産なのだそう。


「旅をしたらその地のものを味わいたい!」という筆者のような趣向の旅人にはとても嬉しいですね。

  • 赤飯や飛騨牛の嬉しいおもてなし
  • 飛騨牛は好みの火加減で

また1泊夕食付き8,000円というお手頃な宿泊料金ながら、なんと高級食材の飛騨牛も出していただきました。お肉の旨味が口の中でとろけて、とてもおいしいです。


おかわり自由なご飯は、なんと赤飯でした。なんだか特別感を感じながら、何度もおかわりしました。

  • 自家製の栃餅は至福のおいしさ

中でも抜群においしかったのは、自家製の「栃餅(とちもち)」。自家栽培のもち米と、大白川の山中で採れた栃の実を混ぜて作った郷土料理です。


もちもちとしたお餅に、香ばしい自家製味噌の相性が抜群です。病みつきになる弾力があり、1個が大きくて食べ応え抜群でした。

  • 揚げたての野菜や山菜の天ぷら
  • 地元の味覚が詰まった小鉢類も

野菜や山菜の天ぷらもホッと安らぐおいしさ。焼き魚を出していただいたり、小鉢類も充実していて、食べきれないぐらいのボリュームでした!


お母さんの温かい接客にも癒され、まるで帰省した時のようなアットホームな時間を過ごせた気がします。

伝統と奥深い自然が息づく飛騨をめぐる拠点に

  • 白山「御前峰(ごぜんがみね)」の絶景
  • 雲海が広がる天空の世界

温泉とご飯にたっぷり癒されて、翌日は早朝から「白山」登山に挑戦します。出発時間は5時でしたが、なんとお母さんは起きていらっしゃり、温かくお見送りしてくださいました。


登山者に愛されているお宿は、登山者のことをとても大事にしています。お宿と登山者が支え合う関係を感じた気がして、ほっこりしました。


「民宿 山水」に宿泊させていただいたおかげで、6時前には登山口に到着し、夜明け前から登山を開始!この日は天候に恵まれ、山頂では日本海まで俯瞰する、360度の絶景を楽しむことができました。


使用した平瀬道はかなり長いルートですが、日帰りで無事下山することができ、最高の山旅を終えられたことに感謝です。

  • 紫陽花と合掌造り集落
  • 荘川の名物そば
  • ひるがの高原・牧歌の里

白川郷平瀬温泉の近くには、白川郷合掌造り集落や荘川の里、ひるがの高原牧歌の里など、魅力的な観光スポットがたくさん点在しています。


ぜひ伝統と奥深い自然を楽しむ飛騨山間部の旅に出かけてみてはいかがでしょうか。

この記事のレポーター

土庄雄平
土庄雄平
1993年生まれ、愛知県豊田市出身。会社員のかたわら、山岳自転車旅ライターとして活動する。飛騨地方の雪山が大好物。春は北アルプス麓の桜に見惚れ、夏は清流と瀑布に涼み、秋は霊峰白山の紅葉に抱かれる。

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