長良川の源流域をめぐる郡上ドライブ|白山信仰と清流の恵みを感じる一日旅へ
- 長月あき

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山々が育む豊かな水は、美しい風景をつくるだけでなく、この地の信仰や文化、食も支えてきました。
今回は、石徹白(いとしろ)から高鷲、白鳥へ。木々に囲まれた神社や涼やかな滝、水の行方を分ける分水嶺を訪ね、郡上の清流の恵みも味わいます。残暑をしばし忘れて、郡上の「水」をたどる一日ドライブ旅です。

白山信仰が息づく石徹白へ|白山中居神社
まず向かったのは、福井県との県境に近い石徹白(いとしろ)地区です。
山々に囲まれた石徹白は、縄文時代から人々が暮らしてきたともいわれる歴史ある土地で、古くから白山信仰(※)と深いつながりを持ってきました。その中心的な存在が「白山中居神社(はくさんちゅうきょじんじゃ)」です。
鳥居をくぐると、辺りの空気がすっと一瞬にして変わったよう。境内には空へ向かって伸びる杉の巨木が立ち並びます。
樹齢数百年とも言われる木々の間を進んでいくと、清流・宮川のせせらぎが聞こえてきます。橋の向こうに佇む社殿は、深い緑に包まれ、見るからに厳かで神聖な雰囲気です。
かつて白山を目指す修験者たちにとって重要な拠点だった白山中居神社。豊かな森と絶えず流れる水、静寂な空気の中に身を置いていると、古くから人々が山を敬い、祈りを捧げてきた理由が少しわかるような気がしました。
山深いとはいえ、車で行きづらい場所ではありません。東海一の名瀑として人気の阿弥陀ヶ滝から車で約20分程度ですので、ぜひ足を延ばしてみてくださいね。
※白山信仰:石川県・福井県・岐阜県にまたがる霊峰・白山を神聖な山として崇める山岳信仰。
タイカフェでランチと高原のめぐみ|Tharat
神聖な空気を堪能した石徹白から車で50分ほど走り、少し早めのランチへひるがの高原に向かいます。お目当てはタイカフェ「Tharat(タラート)」。
こちらで楽しめるのは、郡上で育った野菜をたっぷり使ったタイ料理です。タイ料理と郡上。一見不思議な組み合わせですが、色鮮やかなお料理からは、この土地の恵みを存分に味わえます。
緑に囲まれたテラス席やドッグフィールドもあり、高原らしい開放感とロケーションも魅力のひとつ。わんちゃんと一緒にのんびりされている方も何組かお見かけしました。
■タイカフェ Tharat(タラート)
所在地:郡上市高鷲町ひるがの4670−424
営業時間:10:00〜16:00(ランチは11:00~14:00)
定休日:木曜日
※臨時休業の場合あり。営業時間・営業日は必ず公式インスタグラムの営業日カレンダーからご確認ください。
次の目的地の前に、すぐ近くの「たかすファーマーズ」へ寄り道。ひるがの高原牛乳や、ヨーグルト、チーズ、ソフトクリームなどの乳製品、お菓子などを製造販売しています。私のお気に入りは、とろんとした口当たりのまろやかなドリンクヨーグルト。ひるがの高原牛乳に、長良川源流の森から採取された植物性乳酸菌が使われているそうです。
店頭には地元の野菜も並びます。お土産に買った朝採れとうもろこしは驚くほど甘く、家族にも大好評でした。
■たかすファーマーズ
所在地:郡上市高鷲町ひるがの4670-233
営業時間:8:00~17:00(繁忙時8:00~18:00)
休業日:12月31日・1月1日
※天候などにより営業日、時間が変更になる場合もあります。
海を目指す水の分かれ目に出会う|ひるがの高原分水嶺公園・夫婦滝
お腹を満たした後は「ひるがの分水嶺(ぶんすいれい)公園」へ。
ここは、大日ヶ岳に源を発した水が太平洋側と日本海側へ流れを分ける場所。公園を流れる水は、一方は長良川となって太平洋へ、もう一方は庄川となって日本海へ向かいます。
分水嶺というと山の尾根を想像しますが、ここは国道沿いの気軽に立ち寄れる公園。二手に分かれ、それぞれ別の海を目指す水の流れを間近で見ることができます。
海のない岐阜県から、目の前の小さな流れがやがて大きな川となり、太平洋と日本海へたどり着く。そう考えると、なんだか不思議な気分になります。
■ひるがの分水嶺公園
所在地:郡上市高鷲町ひるがの
そこから車でおよそ5分。「長良川最上流の滝」といわれる「夫婦滝」へ移動します。駐車場から歩いて数分で、木々の隙間から二筋の水が寄り添うように流れ落ちる滝が現れます。
白山信仰を開いたとされる泰澄(たいちょう)大師が、ここで水垢離(みずごり)をしたという言い伝えも。緑に囲まれた滝へ近づくと空気はひんやり。流れ落ちる水の音に耳を傾けているだけで涼を感じます。
■夫婦滝
所在地:郡上市高鷲町西洞
白山信仰の歴史を知る|長滝白山神社(長瀧寺)・白山文化博物館
高原の涼を満喫したあとは、山を下り、白鳥町長滝にある「長滝白山神社」へ向かいます。朝、訪れた白山中居神社と同じく、白山信仰の拠点となってきた歴史ある神社です。泰澄大師が創建して以来、白山登拝の入り口として、平安時代から室町時代にかけて多くの参拝者で賑わいました。当時は白山中宮長瀧寺という名でしたが、明治時代の神仏分離により、長滝白山神社と長瀧寺に分かれました。とはいうものの、神社と寺は参道も境内も共有しています。静寂な森の中にひっそりと佇む白山中居神社とはまた異なる、歴史の重みを感じさせる神社です。
■長滝白山神社・長瀧寺
所在地:郡上市白鳥町長滝91
参拝後は、すぐ近くの「白山文化博物館」へ。 白山信仰の歴史や文化について、大型映像や様々な展示を通して知ることができます。白山中居神社や長滝白山神社を思い返しつつ見学すると、「なるほど、あの場所はこういう意味があったのか。こうつながっていたんだ。」と、一日旅の答え合わせをしているような楽しさがありました。旅の最初に来ればよかったかな…とちょっと後悔。江戸時代の「宝暦郡上一揆」に関する展示も見ごたえがありました。
■白山文化博物館
所在地:郡上市白鳥町長滝402番地11
開館時間:10:00~16:30(入館締め切り16:00)
休館日:火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日)・祝日の翌日・年末年始(12月27日~1月4日)
入館料:大人(高校生以上):320円(280円) 小人(中学生以下):無料 ※( )は20人以上団体料金
清流が育む鮎を味わう|清流長良川あゆパーク
旅の締めくくりは、白山文化博物館のすぐ隣にある「清流長良川あゆパーク」へ。 道の駅と隣接するここは「清流長良川の鮎」に関する情報発信拠点で、様々な体験を通じて楽しみながら川や魚に親しむことができる施設です。川遊びや魚釣り、つかみどり体験などができ、子ども連れなら一日中楽しめます。我が家も子どもが小さかった頃に、何度か遊びに来ました。
15時を過ぎ、この日は早めのランチだったこともあり、そろそろ小腹が空いてくる時間。すぐ裏手を流れる長良川で水遊びを楽しむ人々を眺めながら、「鮎の塩焼き」と「鮎めし」をいただきました。清流のせせらぎを見ながらいただく、香ばしい鮎の風味は、郡上の豊かな水を感じられ、この日のドライブの締めくくりにぴったりです。
なお、清流長良川あゆパークは人気の施設なので、特に今の時期、週末は混みあいます。公式サイトで混雑状況を確認することができるので、そちらも活用してくださいね。
■清流長良川あゆパーク
所在地:郡上市白鳥町長滝420番10
営業時間:
レストラン 9:00~16:30
漁業体験 2026年8月30日(日)まで→10:00~15:00 /2026年8月31日以降→10:00~14:30(土日祝のみ)
定休日:火曜日(当該火曜日が国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日(以下「休日」という。)である場合には、その翌日以降の最初の休日でない日)、1月1日及び12月31日
※営業日・時間については公式サイトでご確認ください。
水の流れをたどるように旅をしてみませんか
白山中居神社から、分水嶺、夫婦滝、白山信仰の歴史、そして清流が育む鮎へ。それぞれ違った魅力を持つ場所を巡ってきましたが、一日を振り返ると、そこにはいつも「水」の存在がありました。
水の流れをたどるように旅をしてみると、何気なく眺めていた風景も、受け継がれてきた文化も、歴史や食も、一本の流れのようにつながって見えてきます。
まだまだ暑さが続くこの季節。少し足を延ばして、清流の恵みを感じる郡上ドライブへ出かけてみてくださいね。








































