地元レポーター発!旅のコラム

日本一暑い街、多治見周辺の冷たい「ころうどん」おすすめ4選!

西村知穂(2021年度・2022年度)
西村知穂(2021年度・2022年度)
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主に東海地方で食べられている冷たいうどん「ころうどん」。「ころ」は「香露」とも記し「冷たくしても香りがする露(つゆ)」が語源であると言われています。今回は、日本一暑い街として有名な岐阜県多治見市周辺のオススメ「ころうどん」をご紹介。「ころ」だけに、今が食べころ!?ですよ〜。

ころかけうどん発祥の店「信濃屋」(多治見市)

  • 信濃屋のご主人と
  • 昭和の香り漂う店内

元祖「ころうどん」の店と言われる「信濃屋」は、1930年(昭和5年)に創業。名古屋のうどん屋で修行をしていた先代が、戦前、親方から暖簾を分けてもらったのが始まりだそうですが、空襲でお店が全焼したことで多治見に疎開し今に至るとのこと。当時は、あたたかいうどんが主流でしたが、常連さんが食べていた「ころかけうどん」の方が美味しいという話になり、メニューに加えることに。今や、季節に関わらず、お客さんのほぼ100%が「ころかけうどん」を注文されているそうです。一見、民家のような店構えと、昭和感溢れる店内に郷愁を感じます。

  • メニューはたった3種類

メニューは、「ころかけ」「うどん(温かいうどん)」「支那そば」の3つ。「ころかけ」の麺は極太で、もっちりしているのに、次第に溶けていくような滑らかな食感にびっくり。そこに、甘めの「つゆ」が絡んで、思わず目を見開く美味しさ。手作りのうどんは、2時間くらい手でこね、1時間茹でているとのこと。おつゆは飲み干せる美味しさで、不思議ともう一杯食べたくなる、まさに「体が求める味」でした。ちなみに、支那そばも絶品!べーめんでも、ビーフンでも、ラーメンでもない唯一無二の味がここにはあります。

名物 天ころうどん「す奈は」(多治見市)

多治見市宝町にある手打ちうどんの店「す奈は」は1973年(昭和48年)創業。先代が坂上町ではじめた本店の開店時に、当時、高校生だったご主人が「す奈は」のうどんを食べて、その美味しさに感動。店でアルバイトをするほど惚れ込んだ味を、今に受け継いでいます。13時くらいに伺いましたが、店内はお客さんでいっぱい。行列もできていましたが回転が良く、すぐに入ることができました。賑やかな店内で、どんな「ころうどん」に出会えるのか期待が高まります。

ここで食べて欲しいのが名物の「天ころうどん」。冷たいうどんに乗っている、大きなエビ天がインパクト大!写真映えもします。冷たい水でしっかりしめられたうどんは、コシがあって、のどごしも最高。おつゆは甘くて濃いめでしたが、卵で混ぜればまろやかに、わさびを混ぜればさっぱりと、全部混ぜれば旨味たっぷりのいろんな味が楽しめる、美味しいころうどんですよ〜。

絶品!とろろ御飯 ころうどんセット 手打うどん「郁兵衛」(土岐市)

  • 店内には陶器がいっぱい
  • 陶器は購入することもできます

土岐市にある手打ちうどん「郁兵衛」は、陶器の卸業をしていたご主人が、なんと、還暦から始められたうどん屋です。祖父母の隠居の家だったという築65年の古民家で週4日、お店を営んでいます。きっかけは、営業で訪れた水沢うどんのお店。手打ちでやっているのが面白そうだと思ったご主人が、自ら志願しノウハウを教わり、出張先の四国でうどんの食べ歩きをしながら、うまいと思った粉を見つけると飛び込みで分けてもらい、開業に至ったとのこと。こちらでは、そんなご主人の情熱から生まれた「ころうどん」が味わえます。

  • お店のファンの方からの贈り物
  • 水を吸うセラミック盆栽の販売も

そんな「郁兵衞」のイチオシ!ころうどんは、「とろろ御飯 ころうどんセット」。こだわりのころうどんと合わせて、地元産の自然薯を使ったとろろ御飯も楽しめます。まずはそのままで味わって、お好みで安曇野産のワサビ、大根おろし、卵は黄身だけ入れて味わうのがオススメ。うどんはコシがあって美味しく、生ワサビは自分ですりおろすので香りが良く、大根おろしや卵もついて栄養満点。あえて濃い目に擦っているという自然薯の味付けが絶妙で、ご飯も進みました。寡黙で優しいご主人と明るい奥様の人柄も魅力の郁兵衞に、またいくべ〜!

ころちゅう!「 妻木屋」(土岐市)

JR土岐市駅前商店街にある、大正15年創業の手打ちうどん「妻木屋」。朝9時からやっているこちらのお店では「ころうどん」と「中華そば」の2品を同時に注文する「ころちゅう(ころ中)」が大人気。え?麺と麺?と思いましたが、これが、妻木屋さんでの定番だそうです。「とにかく丁寧に作る」をモットーにやられているという妻木屋さん。麺は手作りで、出汁は節から仕入れ、毎日必要な分だけ削ってブレンドしているそうです。

ころうどんには、もれなく「青とうがらし」がついてきますが、まずはそのままいただきます。平麺はツルツルしていて歯ごたえがあり、優しい甘みの出汁と白ごまの香りが体を癒してくれます。さらに、青とうがらしを加えると刺激が加わり、汗がす〜っと引いていく感じがします。中華そばは、ホッとする昔ながらの味。どちらも楽しめて大満足でした。人当たりの良いご夫婦が営んでいる、あたたかい雰囲気も魅力のお店です。食べたい方は、ぜひ常連さんっぽく「ころちゅうで〜!」と注文してくださいね。

この記事のレポーター

西村知穂(2021年度・2022年度)
西村知穂(2021年度・2022年度)
岐阜県を中心に、ラジオパーソナリティやテレビリポーター、司会、ナレーターとして活動中。昨年の夏に恵那市に移住。移住者目線の岐阜県の魅力や利酒師として大好きな岐阜の地酒も発信していきたいです。

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