地元レポーター発!旅のコラム

岐阜・東濃地方のお土産に!珍味と同じ名前の郷土菓子「からすみ」はいかが?

西村知穂(2021年度・2022年度)
西村知穂(2021年度・2022年度)
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全国的に「からすみ」といえば、高級珍味のボラの卵巣の塩漬けを思い浮かべる方が多いと思いますが、東濃地方でいう「からすみ」はひな祭りのお供えや、日常のおやつとして親しまれている郷土のお菓子。米粉に砂糖を入れて蒸したお菓子で、素朴な味が人気です。
珍味のカラスミは、昔から子宝の象徴とされていますが、海から遠いこの地域では貴重だったため、形が似たお菓子を作り桃の節句に備えることで、子孫繁栄を願ったとされています。ういろうよりも固めで、もちっとした食感。添加物は一切入っていない郷土菓子「からすみ」の魅力に迫るべく、簡単にできる「からすみ作り」を体験してきました。

農家民宿「山の街道」

訪れたのは、岐阜県恵那市中野方町にある農家民宿「山の街道」

こちらでは旅行者に、田舎ならではの生活体験や地域の人たちとの交流を、宿泊をはさみながら、じっくり楽しみ味わってもらう「農泊」を行っています。

今回は、そんな「山の街道」の女将、亀井文枝さんに、簡単にできる「からすみ」の作り方を教えてもらいました。

「簡単からすみ」作りに挑戦!

今回は、くるみと柚子の2種類のからすみ作りに挑戦!

6本分の「からすみ」を作るのに用意する材料は、米粉500g、砂糖400g、水600cc、塩小さじ1/2 に、具材にする「くるみ」と「柚子」のみ。

え?これだけですか?と思わず聞いてしまうほど、材料がシンプルでびっくり!ちなみに、富士山の形をしたからすみの木型は、特注品だそうです。

亀井さん
今回はね〜伝統的な作り方じゃなくて簡単にできるからすみ作りに挑戦してもらうことにしたから、とにかく楽しんでもらったらええで。
  • 砂糖を測るところから手こずる私
  • 結局、亀井さんが材料を投入
  • 私は撮影係(笑)
  • ポーズだけで全く切れてない
  • 亀井さんが切ってくれた柚子
  • トッピングするくるみは10粒
  • くるみを叩きすぎて粉々に。。

まずは、材料を分量通り測るところから始めましたが、そんな初歩的なことからうまくできない料理下手の私に亀井さん大笑い。「おいしきゃいいのよ〜」なんて励まされながら時間をかけて測った、砂糖、塩、水を、まずは鍋に入れて火にかけます。沸騰するまでの間は、具材である柚子の皮を剥き、さらに、からすみの上にトッピングする「くるみ」と、中に入れ込む「くるみ」に分け、中用の「くるみ」を砕きました。これが楽しい!

亀井さん
くるみを割るのは上手やね〜どれだけストレスたまっとるの〜(笑)発散できたみたいで良かったね〜!

鍋が沸騰してきたら米粉を入れてザックリ混ぜ、ぐつぐつ沸騰し水分がなくなりだしたら、今度は火を弱くしてよく練るのですが、これにはとても力がいります。亀井さんが手際よくやっているのを見て私もできそうだと思いましたが、実際やってみたら、全然、練ることができず、自分の無力さに打ちのめされました。が、時間との勝負。全身の力を振り絞って練り、焦げそうになったら火を止めて、さらに練るという工程を無心になってやっていたら、日頃の考え事や雑念が吹き飛んでいました。

亀井さん
これが大変だなと思ったら、材料を半分にして、3本分を2回に分けて作ればもっと楽にできるよ〜。

次に、生地を取り出し6等分にしますが、この時、具材の好みの物を混ぜ合わせます。はじめは、生地が手にくっついて苦戦しましたが、手袋にお水をつけながらやると良いと教えてもらい、マメに水分を入れながらボール状に丸めた生地の中に具材を入れ込んでいきます。ゆずや、くるみのいい香りに包まれながら、柔らかいお餅を練っていくのが、子供の頃にやった粘土遊びみたいで楽しい〜!

亀井さん
生地の中に具材を入れたら均等に混ざるようによく練って、そのあとは、長細く生地を伸ばしてからぎゅっと潰し、また長細くして潰しの繰り返しで、しっかり、練りこんでいくよ〜!その調子、上手上手〜!
  • 形ができた達成感は格別
  • 型に濡らしたラップをセット
  • これはどうセットすればいいんだっけ?
  • 型に合わせ長細く形を整えてはめ込みます
  • 隅々まで均等に詰めて
  • 底の部分にキッチンペーパーもセット
  • ちゃんと形が取れているかドキドキ
  • 木型を外した際の感動の瞬間
  • ラップを華麗にはがして
  • 喜びの舞

そして等分した生地を富士山の形をした型に詰めていきます。このとき、濡らしたラップを下に敷くと簡単に型から外せるとのことでラップをセット。生地を隅々まで詰めて整えて、ひっくり返して型をはずしたら、綺麗な富士山型のからすみができていました〜!!白地にゆずの黄色が映えて、なんて美しいんでしょ〜!!こんな私でもちゃんと作れたことに大興奮。最後は、喜びの舞(笑)亀井さんからも拍手を送られ、めちゃくちゃ嬉しかったです。

  • 出来たてほやほや〜

最後は形が出来上がった物を、蒸し器に投入。40分蒸したら完成です。待っている時間に、亀井さんが手作りのお料理を振る舞ってくださいました。せっかく来てくれるんだから喜んでもらいたい、その一心で作ってくださったんだとか。嬉しいですね〜!おいしい郷土料理をいただきながら楽しくお喋りをしている間に、からすみが完成〜!!!

作り始めから2時間くらいで手作りの「からすみ」が完成!

我ながら、上手にできました。感動です!

亀井さん
出来立ては柔らかいから、1日くらい置いてちょっと硬くなってから食べてもええし、時間が経てばどんどん硬くなっていくから、好きな柔らかさになったら冷凍庫に入れれば、その硬さで保存できるでね。楽しかったから、またからすみを作りたいって思ってもらえたら嬉しいね〜。

からすみを買うなら

初めて挑戦したからすみ作りですが、思ったより簡単に作れたことと、亀井さんのあたたかいお人柄もあって楽しめました。おもてなしの心が息づく東濃の郷土菓子「からすみ」は、この地域のあたたかさが伝わる優しくて素朴な味です。

桃の節句(新暦4月3日)に合わせて各店頭で販売されているお菓子ですが、巨大木製水車や小里川ダムなど観光スポット満載の恵那市山岡町にある道の駅「おばあちゃん市・山岡」や、JR恵那駅横にある恵那市観光物産館「えなてらす」には、季節を問わず販売されています。ぜひ、お土産にいかがでしょうか?

この記事のレポーター

西村知穂(2021年度・2022年度)
西村知穂(2021年度・2022年度)
岐阜県を中心に、ラジオパーソナリティやテレビリポーター、司会、ナレーターとして活動中。昨年の夏に恵那市に移住。移住者目線の岐阜県の魅力や利酒師として大好きな岐阜の地酒も発信していきたいです。

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