地元レポーター発!旅のコラム

つりびなに招かれて!墨俣町で味わう歴史とグルメ

透 千保
透 千保
投稿日;
大垣市の東の玄関口、墨俣町(すのまたちょう)。古くから東西を結ぶ要所であり、長良川の水運を生かして宿場町として栄えてきました。

春の気配を感じながら町を散策すると、お店や寺院の軒先で吊るし雛(つりびな)に会うことができます。

着物の古布などを使った花、野菜、人、動物、縁起物などのかわいらしい飾りは、地域の方々の手作り!華やかで見ているだけでも幸せな気持ちになれます。

今年も「いき粋墨俣つりびな小町めぐり」が、2月23日から美濃路墨俣宿一帯で開催されます。期間中は「太閤出世スープめぐり」もありますよ。イベントを通して、墨俣の歴史や文化に触れてみませんか?

すのまた宿 池田屋脇本陣

江戸時代、美濃路の宿場町として栄えた墨俣宿の脇本陣跡。現在の建物は、明治24年(1891年)の濃尾大震災で倒壊した後に再建されました。


参勤交代の宿として、多くの大名を受け入れるだけの格式を持った家だったのですね。この脇本陣の目の前には「船着き場」があり、大名を年に40日~100日受け入れたそうです。


大垣市景観遺産にも登録されています。

約130年前の建物を今によみがえらせ、古民家としての味わいも残しつつ宿としての活用を目指しているのが、建築家の吉田雅一さん良子さんご夫妻。


「すのまた宿 池田屋脇本陣」として、室内を公開されています。


仏間は、畳デザイナー・山田憲司氏によるひょうたんの絵柄。囲炉裏もあり木のぬくもりを感じる落ち着いた空間です。中庭には樹齢300年以上とされる満天星つつじが植えられ、お座敷から日本庭園も楽しめます。

吉田さんによると、古い建物を壊すのではなく、耐震補強や補修をすることで住み続けることができるとか。


古民家再生の技術で復刻した本物の脇本陣に泊まることで、日本の技の醍醐味や、古民家の味わいを世界に伝えたいと話して下さいました。

  • 昨年の様子
  • 昨年の様子
  • 昨年の様子

また、宿場町のおもてなし精神を発揮した、美濃路やすのまたの歴史と文化の魅力を伝えるイベントを毎年多数行っています。


美濃路の新しい目印として、建物はもちろん宿場町の賑わいも伝えていってほしいですね。


◆すのまた宿 池田屋脇本陣

住所:大垣市墨俣町墨俣115

営業時間:9:00~18:00

定休日:火曜日、水曜日 

電話:0584-84-3781




岐島屋(きしまや)

池田屋脇本陣の東隣にある岐島屋は、大正時代の建築で大垣市景観遺産。昭和5年から日用品の百貨店として営業を始めました。


現在は、「墨俣つりびな小町めぐり」の活動拠点として公開されています。

中に入ると、つりびなや可愛らしい小物がぎっしり!その鮮やかさに目を奪われます。


「墨俣つりびな小町めぐり」は、2007年、松岡照子さんをはじめとする町の元気な女性達が発起人となり始まりました。


まちづくり市民団体「いき粋墨俣創生プロジェクト」が、子供たちに日本の伝統文化と墨俣の歴史を伝えていこうと毎年継続しているイベントです。

取材した日も、つりびな作りの真っ最中。おしゃべりしながら情報交換したり、皆さん楽しそう。女性の生きがいづくりの場としても喜ばれているそうです。


ここは、地域のイベントやお祭りの情報などを入手でき、墨俣のお土産も購入できる町の観光拠点でもあります。


今年のつりびなのテーマは「雅・花鳥物語」。

「つりびな小町めぐり」の期間中は、つりびなが飾られている店舗や寺院など21箇所を巡るスタンプラリー、大道芸、句会、落語の寄席などが開催されます。


つりびな体験教室もありますので、ぜひ参加してみてくださいね。


「第17回 いき粋墨俣 つりびな小町めぐり2025」

期間:2025年2月23日(日)~3月9日(日)

時間:10時~16時

場所:美濃路墨俣宿一帯






◆岐島屋

住所:大垣市墨俣町墨俣200

営業時間:つりびな期間中は毎日営業10:00~16:00

平常時は月~金10:00~12:00 14:00~15:00 /土日 10:00~15:00

定休日:月曜日 

電話:0584-62-5061



墨俣一夜城

墨俣といえば、一夜城が有名です。

永禄9年(1566年)、木下藤吉郎(のちの豊臣秀吉)が信長の命を受け、一夜にして築いた城(砦)と伝えられています。


秀吉のトレードマークである千成り瓢箪のオブジェもあり、太閤出世橋を渡るとワクワク感が高まります。


春の桜、初夏の紫陽花、秋の紅葉、冬の雪景色など四季折々の美しさを醸し出す場所です。「つりびな小町めぐり」の期間中は、一夜城にもつりびなが飾られ、スタンプラリーの人気スポットになります。

現在は、城郭天守のある歴史資料館となっている一夜城。


4層6階建ての城の内部は、パネル展示や映像などを通して、豊臣秀吉が織田信長にどのように取り立てられ、出世の道を歩んで行ったのか。その功績とともに墨俣の歴史が紹介されています。


秀吉がなぜ旗印に千成り瓢箪を選んだのか、秀吉を取り巻く戦国武将の生涯も知ることができました。

江戸時代の町並みを表したジオラマが。当時の旅人になったつもりで想像してみましょう。


美濃路は宮宿(現在の名古屋市)と垂井宿(現在の垂井町)を繋ぐ街道です。長良川を船で行くと、渡船場に置かれた常夜灯の光が見えてきます。


船を降りるとすぐ左に本陣、正面の美濃路を少し行くと左手に先ほど訪ねた脇本陣があります。墨俣宿の史跡があるその場所に立つと、賑やかな宿場町の光景が浮かびました。

上層階から外を眺めると、遠くには伊吹山や金華山、名古屋市のビル群を見ることができます。


墨俣が川に囲まれた地域であることを実感し、往時の人々の暮らしに想いを馳せました。



◆墨俣一夜城

住所:岐阜県大垣市墨俣町墨俣1742-1

営業時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)

定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)祝日の翌日、年末年始(12/29~1/3)

入館料:一般200円、18歳未満 無料

TEL:0584-623-322




味彩 やちぐさ

墨俣で店を構え創業50年以上の「やちぐさ」。現在の場所に移転した後も、一夜城の景観を一望できるお食事処として知られています。


旬の食材を取り入れた彩り鮮やかな日本料理は、宴会、お祝い事、法要などの他、カジュアルな場所としても利用されています。


お城の周辺には渡り鳥が飛来し、桜の季節以外にもゆったりした時間を過ごすことができそうです。

今年はつりびなの期間に合わせて、2月23日(土)~3月31日(月)まで「太閤出世スープめぐり」も開催されます。


「味彩 やちぐさ」では、太閤出世スープと松花堂弁当2,000円がいただけます。


◆味彩 やちぐさ

住所:岐阜県瑞穂市祖父江1186番地 

定休日:水曜日(祝日は翌日休み)第1,3,5火曜定休

営業時間:11:30~13:30、18:00~20:00
提供時間:11:30~13:30(太閤出世スープ)

TEL:番地058-326-8188



A due Passi(ア ドゥエ パッシ)

イタリアの星付きレストランで7年半修行したシェフが手がけるお料理は、イタリア公認の生ハムマエストロが作った熟成生ハム(ペルシュウ)や手打ちパスタなど、絶品と評判です。


ランチコースは一品づつ選ぶことができ、どれも美味しい。おしゃれな空間で素材にこだわったイタリアンを味わうことができました。


平日でも満席になることが多く、ランチ、ディナーともに2部制になっていますので、予約をしてからお出かけください。

今年はつりびなの期間に合わせて、2月23日(土)~3月31日(月)まで「太閤出世スープめぐり」も開催されます。


「A due passi」では、太閤出世スープ ランチコースが2,700円でいただけます。


◆A due passi(ア ドゥエ パッシ)

住所:大垣市墨俣町二ツ木214-1 

定休日:水曜日

営業時間:ランチ11:30~13:10、13:30~(2部制)

ディナー17:00~19:10、19:30~(2部制)

提供時間:11:30~14:30(太閤出世スープ)

TEL:0584-62-7887




ERA BREAD(エラ ブレッド )

  • 提供写真
  • 提供写真
  • 提供写真
  • 提供写真
  • 提供写真
  • 提供写真

2023年にオープンし行列が絶えない人気のパン屋さん。県外で修行をされたご夫妻が、ERA(時代)に寄り添ったパンを作りたいと名付けられました。


表面がパリッと仕上げられたクロワッサンやコルネ、デニッシュ系、ハード系、創作パンなど種類も豊富です。地元のこだわり卵「すのまたさくらたまご」を使ったパンもあります。

HOTDOGは、じゃがいもを練り込んだもっちりとした生地に、カレー風味のキャベツとチェダーチーズソース、マヨネーズ、大山ハムのジューシーなウィンナーをサンドしたもの。食べ応えのあるボリュームです。


スパイスカレーパンには、13種類のスパイスが入っています。アメ色玉ねぎとホワイトソースを加えた本格的でマイルドなカレーパン。全種類を制覇してみたくなるパン屋さんです。


◆ERA BREAD(エラブレッド)

住所:大垣市墨俣町墨俣789の1

営業時間:10:00~18:00(パンがなくなり次第閉店)

定休日:火曜日、水曜日 

電話:0584-84-8683 





この記事のレポーター

透 千保
透 千保
岐阜市出身・在住。
フリーアナウンサー、ビジネスマナー講師。
公共交通機関の案内アナウンスも担当。
海外渡航歴21カ国。ニュースや番組取材を通じて得た岐阜の魅力を、多くの方にご紹介します。

記事一覧

岐阜のカワイイを詰めこんで!もらってうれしいプチギフト
岐阜のカワイイを詰めこんで!もらってうれしいプチギフト
more
見て・ふれて・味わって!岐阜・川原町に「CASA stella」誕生
見て・ふれて・味わって!岐阜・川原町に「CASA stella」誕生
more
夏にうれしい!岐阜の冷た~いスイーツ
夏にうれしい!岐阜の冷た~いスイーツ
more
八百津町で見つけた!おしゃれカフェ4選
八百津町で見つけた!おしゃれカフェ4選
more

関連記事

いま読まれている人気記事

岐阜に新たな観光スポット「岐阜城楽市」がオープン!
岐阜に新たな観光スポット「岐阜城楽市」がオープン!
岐阜に新たな観光商業施設「岐阜城楽市」が誕生しました。
場所は金華山の麓。岐阜公園です。
工事中、何度もここを通り、時にはバスの窓からチラッと様子が見えたりして楽しみにしてました。
岐阜公園は子どもの頃から行っていた場所ですが、昔はここに図書館や動物園、水族館があったと聞いた事があります。その時から何度も進化し続けている岐阜公園は、歴史ある城下町に誕生する「現代の楽市楽座」として、「『岐阜』を嗜み、OMOTENASHI(おもてなし)を堪能する」をコンセプトにした商業施設です。
信長公が現代にいたら、こんな風に賑わいを持たせたんだろうな!と思いながら取材しました。
more
岐阜のソウルフード「冷やしたぬきそば」のお店5選
岐阜のソウルフード「冷やしたぬきそば」のお店5選
僕は麺類が好きでラーメン屋さんによく行きますが、岐阜でロケの日は、スタッフの皆さんと蕎麦・うどん屋さんへ行くことが多いです。最近はパスタ屋さんかと思うほど斬新なトッピングの店もあり、トマトやレモン、明太子、鳥南蛮がサラダと共に麺の上に乗っていたりするから驚きです。でも、これが美味しいんです!
ただ、周りのお客さんを見渡すと、やっぱり「冷やしたぬきそば」を注文される方がほとんど。寒い時でもなぜか冷やしたぬきそばなのです。
この”冷やしたぬきそば”、岐阜のソウルフードと呼ばれています。
具材は至ってシンプルで、そば・天かす・甘辛く煮た揚げ・刻みねぎ・辛味なワサビが基本。そこにそのお店ならではのトッピングがあり、麺とつゆもそれぞれの店の独自性があります。
今回は岐阜市にある様々な冷やしたぬきそばのお店をご紹介します!
more
初心者にも最適!​​岐阜県の絶景・登山スポット10選 美濃から北アルプスまでご紹介
初心者にも最適!​​岐阜県の絶景・登山スポット10選 美濃から北アルプスまでご紹介
北アルプスをはじめとして名峰が揃う岐阜県。面積のうち8割を森林が占め、全国各地から多くの登山愛好家が集う、まさに東海地方が誇る”山の県”です。今回は地元・岐阜の山を数多く登ってきた筆者がオススメの山をご紹介したいと思います。必要な体力を★で5段階評価するほか、各山の魅力やおすすめコースもお伝えします。参考にしていただけると嬉しいです。
more

オススメのPick Up 記事

岐阜・恵那で“日本一”に出会う旅 | ダム、山城、水車、そして体にやさしい地元ごはん 
岐阜・恵那で“日本一”に出会う旅 | ダム、山城、水車、そして体にやさしい地元ごはん 
名古屋から車・電車で約1時間。岐阜県恵那市には、涼やかな自然や歴史あるまち並みの中に、さまざまな“日本一”のスポットが点在しています。大正時代の雰囲気が残るダム、山の上に築かれた山城、のんびり走るローカル線、そして風情ある宿場町。自然と歴史がほどよく溶け合うこのまちで出会える“日本一”をご紹介します。
more
歴史好き必見!飛騨高山〜神岡【山城・グルメ】江馬氏ゆかりの史跡を巡るドライブコース
歴史好き必見!飛騨高山〜神岡【山城・グルメ】江馬氏ゆかりの史跡を巡るドライブコース
飛騨高山から車で約1時間。
鎌倉~室町時代に北飛騨を治めた武将「江馬氏」の本拠地とされる高原郷(たかはらごう)は、現在の飛騨市神岡町と高山市上宝町にあたる地域にありました。
そして、その高原郷と高山を結ぶのが、「十三墓峠(じゅうさんぼとうげ)」です。
正式な名称は「大坂峠」。岐阜県飛騨地方北部にある、高山市国府町と上宝町をつなぐ峠道のことです。
「十三墓峠」は地元での呼び名で、ヘアピンカーブが続く急峻さがドライバー泣かせの峠道として話題に上がることもしばしば。

そんな「十三墓峠」ですが、実は飛騨の戦国時代を語るうえで、大変重要なスポットなのをご存じでしょうか?

今回は、高山市の史跡から神岡の江馬館跡、さらに和仁の蔵などの周辺グルメまで、江馬氏の歴史とともにめぐる旅をご紹介します。
more
岐阜に新たな観光スポット「岐阜城楽市」がオープン!
岐阜に新たな観光スポット「岐阜城楽市」がオープン!
岐阜に新たな観光商業施設「岐阜城楽市」が誕生しました。
場所は金華山の麓。岐阜公園です。
工事中、何度もここを通り、時にはバスの窓からチラッと様子が見えたりして楽しみにしてました。
岐阜公園は子どもの頃から行っていた場所ですが、昔はここに図書館や動物園、水族館があったと聞いた事があります。その時から何度も進化し続けている岐阜公園は、歴史ある城下町に誕生する「現代の楽市楽座」として、「『岐阜』を嗜み、OMOTENASHI(おもてなし)を堪能する」をコンセプトにした商業施設です。
信長公が現代にいたら、こんな風に賑わいを持たせたんだろうな!と思いながら取材しました。
more