地元レポーター発!旅のコラム

東美濃の山城は おもシロ〜い!「岩村城」篇

西村知穂
西村知穂
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岐阜の宝物に認定されている「東美濃の山城」。全国に通用するふるさとの自慢として、平成29年に「岩村城跡と岩村城下町」「苗木城跡」「美濃金山城跡」が「東美濃の山城」として、一体的に認定されました。そんな県下を代表する山城を、恵那市生涯学習課の三宅唯美さんと、日本城郭協会 学術委員の長沼毅さんにご案内いただきました。今回は、恵那市にある「岩村城」をご紹介。自称、山城ガールの私、西村知穂が「おもシロ〜い!」と思ったポイントをリポートします。

日本三大山城の一つ「岩村城」

「六段壁(ろくだんへき)」をはじめとする石垣が魅力の「岩村城」は、標高717メートルに築かれた山城で、別名「霧ケ城(きりがじょう)」とも呼ばれています。鎌倉時代初めに源頼朝の重臣だった「加藤景廉(かとうかげかど)」が本拠を置いたことに始まり、明治の廃城令が出るまで、なんと約700年間続いた歴史をもつ名城で、日本三大山城の一つに数えられています。そんな岩村城をより楽しみながら体感できる城山登りに、いざ出陣!

おもシロ〜いポイントその1 「初門(はつもん)」

城山登りの幕開けは石畳の坂道から。息が切れるほど険しい道を登っていくと、最初に立ちはだかるのが「初門」です。まずはここに注目!直線的に伸びる登城坂で、この部分だけが行く手を遮るように、右に曲がり、さらに大きく左へ曲がるヘアピンカーブになっているんです。これは、敵が攻めてきた時、一気に登れないようにする工夫だそうですよ〜。実際、ただでさえ上り坂がきつくて、ヘトヘトなのに、このカーブが待っていたら気持ちも萎えますね。

長沼毅さん
岩村城には、こんな仕掛けがいくつもありますが、一番最初に、わかりやすく見える仕掛けがこのポイント。
三宅唯美さん
当時は、正面を石垣にして行く手を阻み、カギの手に曲げられていました。
古いお城だと、これほどまで鋭角に曲げることができないので、これぞまさに「近世城郭の特徴」と言えますね。

おもシロ〜いポイントその2 妄想して楽しむ「三重櫓(さんじゅうやぐら)」と「畳橋(たたみばし)」

  • 復元CGはこんな感じで見られます

岩村城の第三の門である追手門跡。ここには実質的な天守閣「三重櫓」が建てられていて、城下町から正面に見えるように設計されていたとのこと。しかも、この追手門には「畳橋」と呼ばれる木橋が架かっていたそうで、戦いの時には床板を外して敵の侵入を防いでいたそうです。畳のようにめくれる橋とは、どういう橋だったのか、どんな立派な三重櫓が建っていたのか妄想するのが楽しいポイント。城内の看板のQRコードをスマホで読み取ると復元CGが見られるので、とっても便利ですよ〜!

おもシロ〜いポイントその3 「霧ヶ井(きりがい)」

岩村城が「霧ヶ城」と呼ばれる由来となった井戸「霧ヶ井(きりがい)」。

敵が攻めてきた時に、この井戸に秘蔵の蛇骨を投じると、たちまち霧に覆われて、城を守ったといわれています。城絵図ではこの井戸だけが覆屋(おおいや)付きで描かれていて、特別な井戸であったことがわかります。蛇骨は二の丸の宝蔵に収蔵されていて、虫干しをした記録が残されています。
そのほか、岩村城には、あちこちに井戸があって、近世では山の上に住んでいて生活用水にしていたことが分かります。水には困っていなかったんじゃないでしょうか。
ちなみに、井戸は平坦にした城の一区画、曲輪(くるわ)を作る時に、谷川を埋めていきながら、水を貯める部分だけ穴をあけて作っています。井戸は通常、掘って作るものですが、岩村城では、自然の谷を造成して「埋めて作った井戸」になります。

おもシロ〜いポイントその4 高くそびえる圧巻の石垣「六段壁」

岩村城の一番の見所といったらやっぱり、ココ!ひな壇に築かれた六段の見事な石垣「六段壁」です。かなり高さがあって圧巻ですよね〜。


はじめは、最上部の一段だけでしたが、崩落防止のため下段の石垣を継ぎ足して支えるという補強を繰り返した結果、幕末には、六段にも及ぶ石垣になりました。
下段になるほど新しい技術で積まれていて、時代によって積み方の違いが分かりますよ〜。
六段壁の一番下にボコッとした巨石が見えますが、古絵図によると、高石垣の下の部分は元々、岩壁で、こういった岩の上に石垣を載せているんです。

おもシロ〜いポイントその5「本丸埋門(ほんまるうずみもん)」の石垣

岩村城の二の丸から本丸へ入る門である「本丸埋門」。

位置的には、本丸の北口であり裏門にあたる、この本丸埋門で見られる石垣は必見。なんと時代で変わる石垣の積み方を見ることができます。

門に向かって左の面は、野面積み(のづらづみ)の石垣です。
野面積みは、自然石や割石をそのまま積んで隙間に小石を詰める積み方で、1600年の関ケ原合戦のすぐ後に築城した当初のものが、そのまま残されています。
一方、右側の石垣は全く別。
極端に違いがわかりますよね〜。
右側にある新しい石垣は18世紀に積まれたもので、完全に隙間をなくした「切込接(きりこみはぎ)」という工法で積まれたもの。綺麗に表面を削り、まっすぐにしているのが分かります。
さらに、真ん中の石垣は「打込接(うちこみはぎ)」という工法で、石を加工して隙間を減らしブロック積みのような感じで積んでいます。この3つの積み方をここで一度にみることができるのはすごいですよ〜。700年間の歴史ある城であることがよくわかります。

おもシロ〜いポイントその6「謎の門」

ちなみに、本丸埋門は本丸の裏口にあたるということで、生活すれば当然出てくるトイレから汲み取ったものを運び出す通路もあってビックリ。戦になれば、挟み撃ちにできる仕組みにもなっているということでしたが、その近くに、お二人ともが「何のために作ったのかさっぱり分からない」という「謎の門」もありました。専門家でも分からないことがあるのが「山城の面白さ」ということで、ぜひ、岩村城に行ったときには、この謎の門がなぜ設けられたのか推理してみてください。

おもシロ〜いポイントその7 山頂にある「本丸」

標高717mの城山山頂にある「本丸」。

かつてここには、納戸櫓など二重櫓や多門櫓が石垣上に構えられていたそうです。現在は広場になっていますが、石垣の上に立つと、高所恐怖症の私は足がすくんでしまうほど。岩村城で一番高い所にいることを実感できます。そんな本丸からの眺望も必見です。ぜひ、城主気分を味わってみてください。

まとめ

岩村城には、建物はありませんが、急峻な山上に構えられた石垣は圧巻。しかも、江戸時代まで700年間、姿を変えながら存続した城ということで、戦国時代の城と江戸時代の城の遺構を同時に見ることができます。永い歴史の中で、城がどのように変化し役割を変えていったのか、ぜひ皆さんの目で確かめながら、大切に守られてきた岩村城の魅力に触れてみてください。

この記事のレポーター

西村知穂
西村知穂
岐阜県を中心に、ラジオパーソナリティやテレビリポーター、司会、ナレーターとして活動中。昨年の夏に恵那市に移住。移住者目線の岐阜県の魅力や利酒師として大好きな岐阜の地酒も発信していきたいです。

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